前回は、私が京都の合宿から帰ってきたら、
夫が退職を決意していた、というお話をしました。
翌日には上司へ退職の意向を伝え、
いよいよ私たち夫婦の人生後半も、
新しい展開を迎えることになりました。
けれど実は、私は以前から、
夫の退職後の生活を恐れていました。
なぜなら、退職後の両親の姿を
ずっと見てきたから。
母は専業主婦でした。
父が働いていた頃は、
昼間は自分のペースで過ごし、
昼食も残り物などで簡単に済ませていたようです。
ところが、父が退職すると、
母の生活は大きく変わりました。
父はいわゆる昔気質の「九州男児」で、
台所に入ったことがほとんどありません。
退職後は、朝・昼・晩と、
母が三食きちんと用意する生活になりました。
そのうえ、父は家事が壊滅的。
母は父に家事を教えようとしてはイライラし、
私が帰省するたびに、たくさんの愚痴を聞かされました。
今思えば、父はいわゆる
「濡れ落ち葉」のような状態だったのでしょう。
その姿を見ながら、私は、
「うわぁ……。これは嫌だなぁ」
と思っていました。
父の退職によって、
母が自分のペースを失い、
夫の世話に追われているように見えたからです。
もちろん、父にも母にも、
それまで積み重ねてきた生活や役割がありました。
ただ、退職によって二人の時間が急に増えたとき、
暮らし方や家事の分担について、
十分に話し合えていなかったのかもしれません。
その記憶が、今も私の中に強く残っています。
だから、来年、夫が退職する前に、
私たちは二人の暮らし方について
話し合っておく必要があると感じています。
夫婦だからといって、
何もかも一緒にする必要はありません。
仲良く暮らし続けるためにこそ、
お互いに心地よい距離が必要なのではないか。
今、そんなことを考えています。
また、夫婦二人の人生後半に向けて、
食事や家事、一人で過ごす時間など、
私が今考えていることをお話ししますね。


