将来が不安しかない

 

 

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喉から手が出るほど欲しいな、綺麗な履歴書。

4月に入学と3月に卒業が規則的に並んだ綺麗な履歴書。

 

学歴とお金はあったらあっただけいい。

あって困るものではない。あればあっただけ将来は安泰。

 

生きて行くにはお金がいるんですよ?お金を得るためには仕事に就かなくていけないんですよ?仕事に就くには学歴が必要です。懇切丁寧に教えてくれなくても知ってます。よ〜く知ってます。

 

せめて高卒、

せめて

 

せめての言葉って最低限の意味。両親が設定した最低限もクリアできなかった私。でも、私には無理だった。無理なんだよぉ。ごめんね。

 

必死の思いで、それこそ命懸けと言っていいと思いますが、精神科に通い薬に助けてもらって、両親に送迎してもらって頑張って頑張って得た学歴は高認と夜間大学。通信制高校は高認に合格した時点で行かなくなりました。

 

不安の中で、もがいてもがいてようやく見つけた商店街のバイト、商店街のお祭りで店主や市役所の商工課、地元のボランティアと二夜連続のお祭り、人生初めての打ち上げから家に帰ると祭りを見に来ていた母からは「ヨーヨー係していたね、テキ屋みたい」と言われました。

 

母の顔には「いくらでも金は出すから、元気になったのなら、もう一回大学にチャレンジしてほしいなあ、なんで夜に大学に行くのかしら、なんでバイトもテキ屋みたいなことしているの?」と書いてありました。

 

両親と自分が望んだ学歴は得ることはできませんでしたが、大学やバイトを通して、商店街の店主たち、唯一の同僚で電話がかかってくると「はいよー」とか「なに?」って電話をとるおじいちゃん(あだ名はおじいちゃん)、たびたび商店街会議に顔を出す市役所の人たち、なんやかんやで世界は広がり、

 

商店街には、赤ら顔のビール腹の鰻屋の店主とか、ふざけてばっかりの布団屋とか、基本はカブトムシの飼育と売買で稼いでいるけれど表向きは鞄屋だとか、空き店舗で思いつきで開業してすぐにいなくなる若者とか、どう考えても将来を真面目に考えていなくて、「生命力の塊」「煩悩の塊」のようなギラギラした人たちが多くいて、我を通そうとしているだけなのか、全然会議が進まないし、皆、好き勝手なことばっかり言って怒って帰っちゃったり、途中でヤカンに入った日本酒を飲みだしたり、儲かっている店主と儲かってない店主のバトルとか、酔っ払っている市役所の人に「店主たちは、それぞれが王様で自分の好きにしている人が多いからまとめようと思うと難しいんだよね」と愚痴られながら太ももを撫でられたりだとか、だけど私は圧倒されながらも、夜間大学とか高卒と高校中退の差とかで苦しんでいた自分がバカバカしく思えてきて、

 

もしかして人生はもっと自由なのかもしれないと思いました(いやいくら自由であっても太ももは撫でてはいけません)

昼間は商店街事務所で働いて、夜は夜間大学に行くという生活をしていたのですが、その環境の中で私は「働きながら大学に行く真面目な苦労人」と思われていて、

 

「ダメな子」

と、家の中で見下されバカにされながら過ごすよりも、外にいた方が自由に息ができることにも気がついて、もしかして私はとてもちっぽけな世界に住んでいたのではないか?いや、そうに違いないと感じるようになっていました。

 

私の世界が広がると同時に、両親が大切にしていたちっぽけな価値観を「残念だけど、そういう価値観でここまで生きてきたのだから許してあげないと可哀想だな、あの人たちは何もわかっていないんだから・・・」と逆に憐れむようになっていました。

 

でも、やはり長く続いた引きこもり生活をした体には商店街のバイトと夜間大学はとてもしんどくて、何度も逃げ出そうとしたけれど逃げきれなくて、恥をかきながらも、バイトをやめると大騒ぎしたこともあったけれど、何だかちょっとずつ普通になっていきました。

 

 

私が母と会話することを、腹を割ってわかりあうことを諦めたのはこの頃だったと思います。諦めたというより、母の粗探しをして一言一句を責めるバカバカしさにようやく気がついたのかもしれません。

 

でも、和解した風味の私のポーズはそれはそれでだんだん現実となり、真実となり、母は母であの時の精一杯だった、私は私であの時の精一杯だった、熱く激突したこともあったけれど、それはそれで家族の物語の一つになりました。

 

 

それぞれに大切にしてきた常識があると思います。

せめて規則正しい生活して

せめてゲーム時間を守って

せめて高卒

せめて大卒

せめて正社員

 

親の会のメンバーや相談者さんたちから、

「理屈じゃないんですよ、勉強はするものだという常識がどうしても捨てられないです」

「今まで思いつきもしなかった通信制という選択肢がどうしても受け入れられないです。わかっていますよ、うちの子には通信制すら通えるかどうかわからない」

 

そりゃそうだと思います。

だけど、その常識を大切にするあまり、本当に大切な我が子を失ってしまう可能性だってあります。一度離れてしまった心を取り戻すには長い長い時間がかかります。

 

私がお願いしたいのは、どのような進路であっても不登校児にとっては不本意です。不登校前の学力より落として当然。不登校前と同じレベルに合格しても今度は「不登校にならなければもっと上を狙えたのではないか?」という新しい苦しみ。

 

人様の進路より劣っていることぐらいはよ〜くわかっています。人並みのことを人並みに出来ない自分を心の底から情けなく思っています。こんな進路で将来は不安で仕方ないに決まっています。だけど、現実を受け入れて前に進もうとしています。だから親御さんは普通に祝ってあげてください。

バイト先を「こんなとこ?」と思ったとしても応援してあげてください。

 

まだまだ続く、不登校児の物語を途中でぶった斬って批判しないでください。

 

悔しいけれど、まだまだ続く人生。

諦めていないからこそ歯を食いしばって不本意な人生を歩んでいきます。

 

 

 

 

資料販売

 

 

資料はSTORESとnoteで販売していましたが、両方とも近々更新予定のためSTORES版は販売停止しています。note版は販売しています。note版はどんどんアップデートする仕様になっているため、もし更新があれば再読み込みしていただければと思います。

 

 

 

note版↓

 

 

 

 

 

全て、相談者さんたちから一番よくご相談のあった「我が子が何期なのか?」が簡易に判断できるように、↓このような簡易判断フローチャートが付録としてついています。