ホテルのフロントの仕事には、
通常、3通りのシフトがありました。
朝シフト : 7時から 15時40分
夜シフト : 15時から 23時40分
深夜シフト : 23時から 7時
さすがに私は、
深夜シフトはありませんでした。
最初の2週間は、私だけ
他のフロントスタッフとは
違う時間帯、9時から17時。
仕事に慣れる間は、
有難い時間帯です。
それでも、
9時に仕事開始するためには、
それなりに早起きしなければいけません。
そして、他に覚える仕事
自分がフロントに立って
リセプショニストとして仕事するには
お金のやり取りが発生するので、
お金も預かります。
ホテルの地下1階にある経理部署から、
自分の預かる小さい金庫をもらいます。
金額は1500ユ-ロです。
そして、退社する前には、
一日の売り上げはオフィス横にある
小さな窓口に、毎回入れて帰ります。
そして私が管理する
1500ユ-ロの入った金庫は
フロントの横にある金庫に
出社、退社するたびに
出し入れします。
おつり用に必要なお金、
細かい紙幣、コインなど、
他のスタッフと
交換したりして、
お客様に、おつりをお渡しするのに
不便にならないよう準備、
気を付けていました。
海外では、お店など、
大きな紙幣だと、
おつりがないから・・
と平気で言われて、
買い物できなかった
経験ありませんか?
さすがに、5★ホテルなので、
フランス語で迷惑をかけることが
あっても、他のことであれば、
自分で準備できることは・・・
と思い。
自分のお金を
両替して、対応できるように
準備してもっていったりもしていました。
そして、チェックインした後に、
フロントが混んでいなければ、
お客様をお部屋まで案内もしなければ
いけません。
その際は、女性一人で
お部屋に入るので、
ドアは必ず開けっ放しに
しておくこと!と注意がありました。
お部屋までの案内だけでなく、
お部屋の中も細か説明しながら、
案内します。
冷蔵庫を見せて、
冷蔵庫の中のドリンクバ-があります。
自動になっているので、
ドリンクを動かすと
ドリンク代が自動でお部屋に
加算されるのでご注意ください。
そして、こちらに金庫。
アイロン、アイロン台あります ....などなど
新しくフランス語の単語をメモして、
お客様にスム-ズに説明できるように
しなければいけません。
そして、
朝早く到着したお客様、
通常は午後がチェクイン時間です。
もちろん、お部屋が準備されてあれば、
朝でもお部屋のカ-ドキ-を渡します。
掃除がまだ済んでいなければ、
とりあえず、お荷物だけ預かります。
ハウスキーピングに電話をして、
そのお部屋を優先にお掃除してもらうように
お願いしなければいけません。
そして、荷物だけ預かったス-ツケ-スを
お部屋の清掃が終わったら、
ベルマンにちゃんとお部屋まで
届けてもらうようにアレンジも
しておかなければいけません。
フロントの仕事は、
他の部署とのコミュニケ-ションが
大事になります。
そうすると、フランス語能力
というものが重要になり、
コミュニケ-ション力により
仕事に影響がでます。
私が、間違ったお部屋番号を
伝えてしまうと・・
全然違うお客様の
ス-ツケ-スを
ベルマンは
お部屋まで運ぶことになり、
後々、お客様から、
ス-ツケ-スが届いてないという
ことになります。
ちょっとした、私の
ミスコミュニケーションが、
失敗につながり、直にお客様
に迷惑がかかり、場合によれば、
大きなクレ-ムにつながります。
日本語だったら、そんなに
難しくないであろう、
スタンダ-ド、基本の
フロントの仕事。
これだけでも、私には
大変です。
伝えるときは、何度も
同じことを繰り返し、
分かってもらえたか確認します。
そして、毎回落ち込んでいましたが、
「Je ne comprends rien.」
「J’ai rien compris.」
「 言ってること全然わからない。」
などど、
言われてしまうと
自信をなくし、繰り返し
言う声も小さくなってしまいます。
他の言い方にかえて
伝えられるように言ってみたり・・
本当、痛々しい、苦しい場面が
多々でてきます。
毎朝ミ-ティングがあるのですが、
423番のお部屋の M. DUPONT
incognitoですから対応に気を付けて!
incognito ??
お部屋番号すら、
書きとるのも大変。
INCOGNITO(アンコニ-ト)とは、
お忍び、宿泊されてないことに
なっているお客様に対して使うのです。
その場合は、お客様の家族、奥様から
電話かかってきても、
必ず泊まってるはずだから・・
などど、言われても
絶対電話をつないだり、
どのような日程で泊まってるなど
話してはいけないのです。
毎回、細かい指示が
ミ-ティングで話されますが、
ほとんど分かりません。
ミ-ティングが終わった後に、
優しそうな同僚に
そっと声をかけて教えてもらいます。
フロントシフトリ-ダ-が
数名いるのですが・・
中には、苦手な怖い
女性もいました。
日本でもいますよね・・
何だか威嚇するというか、
一緒にいると、緊張する
同僚、上司。
話し方がきつかったり、
強かったり。
もう、LAUREと一緒の
日は、疲れも倍です。
一人、SOMEIという
アジア人のリ-ダ-がいて。
中国系のスェ-デン人です。
やはり、同じアジア人
話しかけやすいのです。
機敏で、英語も上手、
フランス人ではないが、
フランス人のリセプショニストを
まとめてテキパキと指示をだす。
問題があっても、
彼女の素早い対応で
お客様も納得してくれます。
外国人でフランス語を
話す大変さも分かるのか、
分からない単語なども、
書いてくれたり、
使うフレ-ズをそのまま
教えてもらったり・・
嫌な顔をせず、忍耐で
私の質問に付き合ってくれます。
ソウメイと一緒に働くときに、
普段聞けないことを、
まとめて聞いたりしていました。
大分後に聞いたのですが、
パリのホテルで働いている
リセプション達の中で、
一番のリセプショニストを
競う大会があるそうです。
そこで、ソウメイは
一番、優勝を手にしたそうです。
外国人でも、フランス人の中に
入って競える。そしてフランス人より
優れている。
さすがだなっと感心しました。
仕事を覚えていく過程では、
やっぱり、日本でも海外でも
どの上司について指導を受けるか、
誰と働くかによって変わりますね。
あの時に、ソウメイがいなかったら
途中でくじけていたかもしれません。
2週間が過ぎたころから、
リセプショニストの一人として
朝シフト、夜シフトと
シフトを組まれるようになっていくのでした。
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