〈 possibility 〉
《パラン大病院》
ある日の昼休み
先輩医師:“なぁ聞いてくれよペク医師、俺の同期の奴がさ、今度個人病院の副院長になるんだよ。”
スンジョ:“へぇ、そうなんですか。おめでたいですね。”
先輩医師:“嫁さんの親父さんが院長してる病院を継ぐために副院長として入るんだとさ。
俺はしがない大学病院の医者で、かたや副院長様だぜ。”
スンジョ:“羨ましいんですか?”
先輩医師:“おまえと違って俺は教授になる見込みもないし、系列病院にとばされる可能性だってある。不安なんだよ。
開業するほどの貯金も力量もないしな~。”
“ペク医師は開業しようとは思わないのか?実家は裕福なんだろ?
ペク医師なら腕良し顔良しで患者が溢れかえるぞ(笑)”
スンジョ:“止めて下さいよ。
俺なんてまだまだです。それに、専門は小児外科なんですから開業には向きませんよ。”
先輩医師:“何言ってる。
専門は外科でもお前ほど子供の病気の知識を持ってる奴はそういないぞ。
そんな謙遜しても無駄だからな。
もし開業するなら俺も雇ってくれよ~”
スンジョ:“しませんって。(笑)”
そんな話をしたからだろうか、その日の夜、俺は不思議な夢を見た。
小さな小児科医院を開業した俺、傍らにはハニがいて、注射器を持つハニと恐怖で顔をひきつる子供。
見守る母親も真っ青な顔をしている。
少しずつ針が皮膚に近づき…
「うわぁ~~~ん!!」
子供の悲鳴とともに目が覚めた。
…いやな夢だった。
でもあながち間違ってはいない。
看護師になって数年。相変わらずハニの注射は痛い。
だが血管には入るようになった。
正直なぜあれで血管に入るのか不思議でたまらない。
先輩は俺が開業したら患者が溢れかえるって言ってたけど、ハニの注射が怖くて誰もこれないんじゃないか?
まぁ、開業なんて今のところする気はないし、したとしてもまだまだ先の話だ
数日後ー
《2人の部屋》
ハニ:”あー何着よう?あれは前に着たし、こっちはその前に着たし、思い切って新しい服買おうかなぁ”
鏡の前で1人ファッションショーをしているハニ
スンジョ:“どこ行くんだ?”
ハニ:“再来週スンハの授業参観があるの。何着ていこうか迷っちゃって。”
スンジョ:“たかが授業参観だろ?なんでそんなにめかしこむ必要があるんだ。”
ハニ:“たかがですって?
スンジョくんは知らないからそんなことが言えるんだよ。”
スンジョ:“知らないも何も、主役は子供だろ?親がめかし込んで誰が見るんだ。バカらしい。”
“そんなことで悩むくらいなら、もっと違うことに頭を使え”
ハニ:“……わかった。買わない。”
ハニにしてはえらく聞き分けが良かった。
スンジョ:“そうか”
ハニ:“スンジョくん、確か病院から有休消化して欲しいって言われてたよね?”
スンジョ:“あぁ、でも有休なんて”
にっこり笑って部屋を出て行くハニ。
どこに行くのかと思っていたら廊下から声が聞こえてきた。
ハニ:“スンハ~、今度の授業参観はパパが行ってくれるって~”
スンジョ:“な!”
スンハ:“ホント♡?”
パタパタと走ってくる足音が聞こえたと思うと、スンハが部屋に飛び込んできて、嬉しそうに俺に飛びついてきた。
スンハ:“ホント?ホントにパパが来てくれるの♡?”
目をキラキラさせて俺を見てるスンハ
頼むからそんな期待に満ちた目で見ないでくれ…。
これで行かないなんて言ったら…
落ち込む娘の姿が目に浮かび、
スンジョ:“…あ、あぁ。”
そう答えるしかなかった。
スンハ:“きゃ~♡やったぁ~♡”
スンハの喜ぶ顔が見られて嬉しいが、ハニのしてやったり顔はどうにも腹が立つ。
ハニのやつ、覚えてろよ!
to be continue…