参観日当日ー
スンハとの約束を守るため、なんとか休みをもぎ取ったのだが、予想外の状況に自分の目を疑うばかりだ。
着飾った母親達。
まるで自分達の品評会のようだ。
なんなんだいったい?ただの参観日だろ?
その上、男親が来るのが珍しいのか、ジロジロ見られて視線がイタい
ったく、なんで俺がこんなこと
“やっと見つけタ。ミスターペクスンジョおそい!”
!!!
正面からやってくるその人は、確かに知人なのだが、あまりにも素っ頓狂なその出で立ちに一瞬言葉を失った
スンジョ:“クリス…どうしたんだその格好は。”
クリス:“これはワタシの戦闘服”
スンジョ:“戦闘服?”
クリスは韓服を着ていた。
クリス:“話してる時間はアリマセン。もうはじまっちゃいマス
まったく、そんなカッコウで来て、ハニの言ったとおりデスネ”
“ほら、コレシテ”
ジュングのものであろうネクタイを俺にしろというクリス
スンジョ:“いや、クリス”
クリス:“はんろんしない!ホラハヤク!Harry up!”
勢いに負けてネクタイをするが、どう考えても合ってない…
クリス:“これでヨシ!ミスターペクスンジョ、クラスは戦場だからネ、ファイティーン!”
ガッツポーズをしてソンジュンのクラスに向かうクリス
戦場?頑張る?何を言ってるんだかさっぱりわからない。
とりあえずジュングのネクタイをはずし、俺はスンハの教室に入った。
そこには何とも言えない緊張感が走っていて母親達の気迫が感じ取られた。
参観できるのは国語の授業。皆、それぞれの夢を作文にしてきていた。
医師、看護師、警官、建築士、教師、弁護士まだ一年生なのに堅実な職業ばかりズラズラ並んでいく。
俺の子供の頃とは大違いだ。
そしてスンハの番がやってきた。
スンハの夢?そういえば聞いたこと無かったな。
スンハ:“私の夢”
“私の夢はお父さんとお母さんのお手伝いをする事です。”
予想外の言葉に教室中が驚いた。
スンハ:“私のお父さんとお母さんは、お医者さんと看護師さんで、離島にいたときは、島の人たちの為にいつも走り回って、今は病院で患者さんたちのために頑張ってます。
たくさんの人を笑顔にするとっても素敵なお仕事です
頑張ってるお父さんとお母さんのお手伝いがしたいけど、今はまだ、子供だから、できません。
だから、大きくなったらお母さんみたいな看護師さんになって、大好きなお父さんとお母さんと一緒に、たくさんの人を笑顔にするお手伝いがしたいです。”
スンハの言葉は俺の胸に染み込んで、まるで、春のような温かさが俺を包んだ。
小さな頃からずっと俺たちの仕事を見てきたスンハ。
寂しい思いもたくさんさせたのに、俺たちの仕事を理解してくれ、そして俺たちを手伝うことが自分の夢だという。
親としてこれほど嬉しいことはない。
おまえの優しさが心に響いて、俺は、おまえの親になれた幸運に感謝した。
おまえの悲しむ顔が見たくなくて、おまえとの約束を守りたくて来ただけだった授業参観。
まさか、こんなに嬉しいプレゼントをもらえるなんてな。
あの日、無茶ぶりをしやがったハニに腹を立てていたが、感謝しないといけないな。
授業が終わり、廊下に出ると、めかし込んだ親たちの中でも一際目立つ母親の集団に引き止められた。
母親A:“ちょっとよろしいですか?”
to be continue…