私はまた、数日前から悩んでいた。
ハッキリ感情を出す次女。
「私、叔父さんなんて、全く覚えてない。幼稚園だったからかなぁ。会うのは憂鬱。」
「でもね、貴女はこれから大学生、いざとなったら保証人をお願いするかも。会ってほしいな。」
次女は、塾の予定を調整して、弟の来る中日の夜なら会えると言ってきた。
夜なら次女のご飯も兼ねたい。
ても、今の私の状態ではとても、夕飯を作れない。
近くの完全個室の和食の飲食店が思い浮かんだ。
問題は私が行けるかどうか。
私は短時間しかいれないかもしれないけど、お店を予約することにした。
夫はお酒を飲むと、余計に一人で話すし、今回は送迎してもらわないと。お酒禁止令を出す。
次女に伝えると、
「美味しいもの食べられるの嬉しいし、行くよ。
でもさ、話しはしないで食べる専門だからね。」
「いいよ。」
当日、お店の駐車場につくと、余裕なくセカセカと歩く夫に置き去りにされそうになりながら、寄り添ってくれる弟と、次女に手を引かれて、お店に入った。広い個室で、堀こたつのテーブル。
私が弟に聞きながら料理を見繕い、次女がタッチパネルに入力する。
料理が並ぶと華やかになった。
でもさ、話しはしないで食べる専門だからね。」
「いいよ。」
当日、お店の駐車場につくと、余裕なくセカセカと歩く夫に置き去りにされそうになりながら、寄り添ってくれる弟と、次女に手を引かれて、お店に入った。広い個室で、堀こたつのテーブル。
私が弟に聞きながら料理を見繕い、次女がタッチパネルに入力する。
料理が並ぶと華やかになった。
私はリンゴジュースと揚げ出し豆腐。
火の通したお豆腐なら、食べられそう。
弟と、私の会話を聞きながら、次女は、黙って好きな料理を堪能してる。
落ち着いた頃、次女に聞いてみた。
「会ってみてどんな印象?」
「世界史の先生にそっくり。」
そこにいる大人はみんな
見たことないし。性格知らないし。
「安心して。生徒に人気があるからさ。」
「あ、それは良かった。どんな先生なの。」
「色んなコーランを持っててね、生徒に見せてくれるよ。知ってる、コーラン。」
「イスラム教だね。世界史の先生だね~。」
コーランを沢山持っている世界史の先生に似ていると言われて、いったいどんなタイプかと、考えてる風の弟。でも、楽しそう。
この話を皮切りに、中学時代の部活や、友達の話。
勉強のこと、今のクラスの話。
とまらない、止まらない、次女の機関銃トーク。
仲のいい友達も何人もいるし、塾の先生も学校の先生も、気軽に相談しあえる得な性格だと感じる。
「姉貴から聞いてはいたけど、言ってた意味がよくわかったよ。コミュニケーション能力が高いんだね。」
「生まれたときに、家族が、明るく楽しく笑えたらいいなと名前を考えたけど、この子は家族の接着剤。小さいときは怪獣を産んだかと悩んだけど、今は助けてもらってる。」
それを聞いていたんだろう。
「中学生の時、もしかして私、コミュニケーション能力、あるかもって気がついたの。
で、自信を持って高校生になったんだけと、もっとすごい人がいっぱいいたよ。
今は中の上くらいかな。
友達も色々、派閥があるからね。高校生でも忖度しながら付き合うんだよ。」
もう可笑しくて、笑いの渦に巻き込まれながら、私は一時間半、そこにいることが出来た。
リンゴジュースをチビチビと飲み、豆腐をつつきながら。
弟はとても、楽しそうだった。
家に帰って、弟の印象を聞いてみた。
「世界史の先生な、そっくりだった。
でね、120点、150点かも。
ちゃんとお話聞いてくれるし、優しいし。
あんな叔父さんがいて、良かったよ」
どうやら、弟と次女の再会はうまくいったようです。
少しして、次女がもう一度、私のところに来た。
「あのさ、こんな子いてもいいよね。一人くらい。」
「話しやすい姪っ子がいるから、また来たいなって思ってくれるかな。叔父さん。」
「当たり前だよ、会えて嬉しかったと思うな。」
そんな思いを知り、胸がいっぱいになった。
この機会に、子どもたちと弟を会わせて、良かった。
未来に繋がったかな。そうだといいな。