アニメソング自体がオワコン[2000年代アニメソングヒットの傾向] | けーの暇つぶしブログ

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「LiSAがオワコン」=もはや「アニメソングがオワコン」

この話を始めて、今回が3回め。

前回は「アニメソングがオワコンと感じる4つの理由」

そして、そのうちの一つを紹介して話を終えた。

今回は、残り3つについて触れていきたいと思う。

 

「アニメソングがオワコンと感じる4つの理由」は以下の通り。

①現在のアニメソングのヒットは流行曲に過ぎない

②2000・2010年代のアニメソングと現在のアニメソングの格差

③現在のほぼほぼのアニメソングが、かつてのアニメソングのヒットに全く及ばない

④アニメソング界におけるスターの不在

このうち、①を前回は紹介した。

続けて、②以降の話をしていこう。

 

②2000・2010年代のアニメソングと現在のアニメソングの格差

2000年代は、キー局がゴールデンからアニメを追い出し、

ほとんどのアニメ作品が「深夜枠」での放送が進んだ時期だ。

当然、ヒットしたアニメソングは深夜放送のものが多くなった。

そして、深夜アニメを見る人達は「アニメオタク」の部類の人たちであり、

「アニメオタクがアニメソングのヒットを作った」と言っても過言ではない。

 

この論理を証明するため、

2000年からその年に一番ヒットしたアニメソングを挙げ、

深夜枠の多さ=アニメオタクが見る=一般人が知らない。

こういった現状があったことを示していこう。

 

まずは2000年代から。

当時のヒットの基準がセールスになるので、

オリコンシングルランキングを参照にする。

 

2000年:Secret of my heart / 倉木麻衣[名探偵コナン ED][年間16位]

2001年:Dearest  / 浜崎あゆみ[犬夜叉 ED][年間17位]

2002年:Winter Bells  / 倉木麻衣[名探偵コナン OP][年間41位]

2003年:メリッサ  / ポルノグラフィティ[鋼の錬金術師 OP][年間34位]

2004年:READY STEADY GO  / L’Arc〜en〜Ciel[鋼の錬金術師 OP][年間18位]

2005年:月光花  / Janne Da Arc[ブラックジャック OP][年間22位]

2006年:衝動  / B’z[名探偵コナン OP][年間22位]

2007年:DAYBREAK’S BELL  / L’Arc〜en〜Ciel[機動戦士ガンダム00 OP][年間33位]

2008年:儚くも永久のカナシ  / UVERworld[機動戦士ガンダム00 OP][年間40位]

2009年:Don’t say ”lazy” / 桜高軽音部[けいおん! ED][年間33位]

 

2000年代は、ゴールデン帯・夕方帯のアニメが残っており、

当時の大人気ミュージシャンは担当したことで、

双方の効果があり、ヒットしたものが並んでいる。

ただし、現在のように

「アニメソングがヒットチャートを席巻」しているわけではない。

そして、「歌手の人気だけで売上が伸びたもの」

「アニメの効果があったが、そこまで上位には食い込めなかった」

今のような、アニメソング・主題歌になった作品が猛威をふるった印象はない。

そして、何より「1990年代よりも作品がマニアックになった」と言える。

この中で言えば「鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダム00」「けいおん!」だ。

 

 

「鋼の錬金術師」は「月刊少年ガンガン」で連載されていたもの。

2003~2004年放送時、発行部数は20~37万部。

当時の「週刊少年ジャンプ」が発行部数300万部だったことを考えれば、

そのマニアックぶりが窺えるだろう。

コアなファンは付いていたが、たかが知れている。

アニメ放送開始時の知名度はそこまで高くはなかった。

その中、2003・2004年を制している時点で、

アニメソング界隈の規模の小ささがわかる。

 

「機動戦士ガンダム00」は、

そもそも「ガンダム」と言うコンテンツの問題になる。

「機動戦士ガンダム」というシリーズは、ほぼほぼの日本人は知っている。

しかし「ガンダムシリーズの作品を挙げてください」となると

一気にハードルが上がる、アニメファンでないと回答は難しい。

ファンを選ぶ・個々の作品が一般的ではない「ガンダムシリーズ」が、

2007・2008年のトップということもまた、

アニメソング界隈のムーブメントの小ささを感じる。

 

そして、今回の話の本丸となるのが「けいおん!」だ。

今回の2000年代ヒットアニメソング10曲の中で、

唯一の深夜アニメになる。

「けいおん!」はTBS・金曜深夜2時から2時半に放送していた。

深夜アニメは総じてアニメファンでなければ、まず発掘できない。

 

更に、原作の一般への浸透も放送前はまずなかった。

連載誌だった「まんがタイムきらら」の発行部数は、

2020年で公称約8万部。

もちろん、2009年よりも大幅に減少していると考えられるため、

この8万部が、2009年の発行部数ではない。

とはいえ、仮に半分以下になっていたとしても当時約20万部。

アニメ放送時の「鋼の錬金術師」以下の数値となり、

原作のマニアックぶりが際立つ。

 

「深夜アニメ」「原作がマニアック」

この時点で「アニメオタク」だけが飛びつくことになる。

この「アニメオタク」の盛り上がりから、

一部映像作品のファンに伝わり、2009年を制したと言える。

まさに「アニメオタク発祥の作品が頂点に立った」

この点が、2020年代の音楽業界を席巻しているアニメソングと大きく異なる。

 

長くなったので、今回はここで切る。

実は、この「深夜アニメがアニメソングを制する」動きは、

先程書いた2006年から始まっており、

アニメソングのヒットの序列の最上位に食い込むようになっている。

次回は起点となった2006年と、

2006年以降の「アニメオタク発祥のヒット」を見ていくこととしよう。