1996年。
小室哲哉から実権を取り戻すべく、
松浦勝人自身が歌手を送り出してきた。
先鋒となったのが[Every Little Thing]
その頃はアルバム[globe]が400万枚を突破、
主要の3人もさることながら、
さまざまなプロデュースを行い、
一番勢いづいていた時代です。
松浦勝人の小室哲哉への恐怖や敵意が
増していった時期でもあるのです。
そんな、松浦勝人が勝負をかけたELT。
全面プロデュースを任されたのが五十嵐充。
エイベックス発足以前から松浦勝人とともに行動した
初期メンバーであり、厚い信頼を受けていました。
五十嵐充。
なにやら[こんなメンバーもいたの?]扱いされているらしい。
この人がいなければいまのELTはないのに。
ELTは御存知の通り、
1997年[Dear My Friend]でブレイクを果たし、
翌年にはミリオンセラーを送り出した。
オリジナルアルバムでの300万枚を超えるなど、
エイベックス独自のヒットを切り開いた功績者です。
五十嵐充は松浦勝人の期待に見事に応えたのです。
今回は、五十嵐充が送り出した音楽について、
考えていきたいと思います。
彼が送り出していた曲は
打ち込みを中心としたロック調の楽曲です。
デジタル系のサウンドを基調としており、
非常になめらかで、甘みを感じさせるものです。
小室哲哉が送り出していた楽曲が
ベースになっているとも考えられますが、
エイベックスがもとより洋楽を扱うレーベルだったことから
海外のその手の曲から用いていると考えるの妥当です。
エイベックスの送り出す歌手たちが
こういった打ち込み主体の楽曲を多く送り出したことから
当時[エイベックスサウンド]と呼ばれていました。
五十嵐充はエイベックスサウンドの代表者と言えます。
ELTの楽曲を見ていくとわかりやすいです。
デビュー曲。
真っ先に[小室哲哉の楽曲]がイメージされました。
僕は一度聴いただけでこの曲が大好きになりました。
ただ、やはり[小室哲哉の影]を見てしまい、
正直、売れるようになるとも思っていませんでした。
Time goes byの前月に発売されたシングル。
ミリオンセラーの前のシングルだけあって
影の薄い曲ではありますが、
五十嵐充屈指の作品と信じて止みません。
[エイベックスサウンドによるヒット]が起きたのは
小室哲哉が送り出した作風が大衆の中で根付き、
わかりやすく、受け入れやすかったことが理由にあります。
そして、移り変わっていく小室哲哉の音楽に対して、
定形となる、安定した作品たちの発表が
リスナーの安心、安定に繋がり、ヒットし続けた、
と僕は考えています。
五十嵐充といえば
Every Little Thingとday agter tomorrow
datはELTに比べて、ヒット曲こそ少ないですが、
五十嵐充の特徴が見事に現れており、
ELTにも負けない名曲が揃っています。
datのファーストシングル。
[先行アルバムからのリカットなので
正確に言えば、デビュー曲ではない]
五十嵐充の作風の安定を感じて、
datの成功も僕には見えました。
ただ[starry heavens][リンクよりMVが開けます]のみが
大衆の記憶に残っている感があリ
非常に残念に思っているところです。dat以降、五十嵐充の名前が
表に出ることはほぼなくなりましたが、
エイベックスへの功績は色褪せることはないでしょう。
五十嵐充を皮切りに
エイベックスサウンドの代表格を見ていきたいと思います。
次回は[木村貴志]です。よろしくおねがいします。