氷室京介 - 魂を抱いてくれ[風の刑事・東京発! DR-ED][1995]
1995年10月25日発売。11枚目のシングル。
最高位2位[首位はTRF・3位は安室奈美恵。何の因果か]
1995年度年間74位[約50万枚]
ポリドール移籍第1弾にして、
氷室京介初の本格的なバラードシングル。
ミリオンセラー[KISS ME]とは離れているものの、
移籍後初にして、第2ヒットを出せたことが、
ポリドールでの活動のはずみになったと考えられます。
氷室京介としては大きな挑戦だったでしょう。
東芝EMI時代では出さなかった系統の楽曲を、
移籍第1弾という、結果を出さなければならない場面で
敢えて出してくる。博打を打つ。
自身に対する可能性、そしてファンが期待する氷室京介の可能性。
重要な局面だからこそ、突き詰められることまで突き詰めて、
最高のものを送り出す。そして、ヒットを生み出す。
氷室京介の抗化学性が発揮されたヒットと言えるでしょう。
非常に見事なものが出来上がりました。
この曲が発表された当時、
氷室京介について、[SINGLES]を聴いていた程度で、
更にはBOΦWYについても、まるで知りませんでした。
完全な氷室京介素人だった私ですが、
この曲から感じた氷室京介の歌声は、
[SINGLES]に収録されていたどの曲よりも、
力強く、熱を帯び、色鮮やかに感じました。
[SINGLES]の発表で、
完全に、自分自身の音楽を清算し、
新たな心持ちで挑んだ楽曲であることを、
聴けば聴くほど理解できました。
この曲から、連続して発表された[STAY][SQUALL]では
[SINGLES]の曲とは違うヒムロックが出てきた事や
[魂を抱いてくれ]を収録したアルバム[MISSING PIECE]の
バラード曲のインパクトの強さ。
収録曲の中で、シングルの割合が非常に高い中、
アルバムの独自性を保てていたことは素晴らしいな、
と思いながら、[MISSING PIECE]を聴いていました。
順々に、氷室京介の過去作を回収し、
耳を通していきました。
その中で、[MISSING PIECE]の時点で起きた変化を
改めて、そして、しっかりと感じることが出来ました。
ポリドール移籍時、氷室京介はレコード会社だけでなく、
自らの音楽の場面も移籍していた、ということなのかもしれません。
それは、1997年以降の作品の変化にも出てくることだとおもいます。