杏里 - ANRI THE BEST[2000]
2000年5月24日発売。9枚目のベストアルバム。
[そのうち、2タイトルがセルフカバーアルバム]
最高位8位。[現在、アルバムでは最後のトップ10入り作品]
デビューから22年で、ベストアルバムが9タイトルと
ベストアルバムの濫発傾向が見られます。
それぞれのベストアルバムで、収録内容がかぶりが見られますが、
大幅にかぶっているようなものはありません。
そして、それぞれに、未収録曲、リアレンジと特徴があるため、
一通り持っていて初めて、全てのピースが埋まるような、
ある意味で、ファンに買わせるよう仕向けているのかな、
と思わせるような、収録内容になっています。
その中で、比較的杏里の全年代の活躍をフォローしている
オールタイム・ベストと呼べるものは
セルフカバーアルバムでは、1994年発表の[16th Summer Breeze]
オリジナル音源のベストでは、ここで取り上げている
2000年発表の[ANRI THE BEST]です。
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杏里はシングルよりも、
圧倒的にアルバムが売れるミュージシャンです。
1989~1991年発表の3枚のアルバムの年間トップ10入りを筆頭に、
1980年代後半から1990年代前半まで、
年間トップ50にランクインさせています。
※[CAT'S EYE][悲しみがとまらない]と言った
杏里の代表曲収録のアルバム[Timely]は1984年度年間10位に入っていますが、
1987年のアルバム[SUMMER FAREWELLS]まで、
年間トップ50入りはお預けとなります。
そして、オリジナルアルバムに比べて、
かなりの頻度で出されたベストアルバムはというと、
同時期に出たオリジナルアルバムよりも大差なく、
購買層も、そこまで変わらないことが考えられます。
シングルヒットがそこまで多くないことから、
普段は杏里を買わないライト層の購買を誘うのは厳しく、
売上を伸ばせませんでした。
では、[ANRI the BEST]はどうだったというと、
当時のオリジナルアルバムに比べて、
かなり良い成績となっています。
直前と直後のアルバムと比較すると、
1999年のアルバム[EVER BLUE]が24位
2000年のアルバム[The Beach House]が20位と、
当時の杏里の購買層以外の人も買っていることがわかります。
[ANRI the BEST]が、オールタイム・ベストかつ、
全てが、初出音源であることが、
これまで、一切杏里の曲に触れていなかった人を惹きつけ、
最盛期に出したベストアルバムと比べると
かなり売上は落ちるものの、
ヒット作として、ベストアルバムの役割を果たしたと言えます。
オリジナルアルバムの成績の通り、
このアルバムが、杏里の最後の花火となります。
このベストを持ってレコード会社を移籍し、
以降の作品の発表がかなりの期間滞ります。
2000年までは、ほぼ毎年アルバムを出せていたのに対して、
2001年以降は、4枚しかオリジナル・アルバムを出せていません。
いくつかのレコード会社への移籍を繰り返していますし、
作品を出そうにも、環境が整わなかったのだと思います。
今のレコード会社から、3年スパンでアルバムが出ているので、
次回作が、そろそろ出るかもしれません。