親しきものとの死別。
人は必ず死ぬものなので、誰しもに起こる悲劇。
ことさら、愛情で繋がった人の別れは辛い。
何度か彼女の投稿で登場していた
大学生の時に亡くなった婚約者。
亡くなった当時の絶望は計り知れない。
僕など、理解できようはずのないものだろう。
日本では本来であれば、
このような年齢でなくなることは殆どない。
だが。全くいない、というのもないのもまた事実。
残念ながら、いつでも人は死を迎える可能性がある。
いまは[コロナ禍]が渦巻いている。
コロナに殺される。金に殺される。他人の悪意に殺される。
いままでの何倍も[死]を意識する時期になっている。
婚約者という最愛の人、とまでは行かないが、
突然友人に死なれた経験がある。
もう15年前の話。
友人の奥さんから
[〇〇[親友]が入院した]との連絡を受けた。
理由は[急性糖尿病]
なんで、そんなことが起こるのか僕にはわからなかった。
[この事実は、親友の通夜にて入院直前まで
関わっていた[現地の友人]から聞かされることになる]
当時、僕も精神障害により、まともに体が動く状態はなかった。
とは言え、友人が大変なことになっている。
見舞いに行くことにした。
あいつの病室に入ると、完全に意識が朦朧としていた。
こちらを認識しているかすらわからなかった。
カテーテルを見て、とても痛々しく感じ、
正直、直視することができなかった。
状態はかなり重いが、処置をすれば必ず回復する。
医師がそう言っていた。不幸中の幸い。
希望を持つことができた。
この日は、姿を見るのみで話ができなかった。
[また来週、来るからな]
そう言って病室を後にした。
まさか、これがあいつにかけた
最後の言葉になるとも知らずに。
5日後。携帯電話がなった。
そこにはあいつの奥さんの番号が出ている。
[その時に感じた悪寒を今も忘れることができない]
恐る恐る出てみる。
そして、開口一番[〇〇[親友]が亡くなりました]
・・・・・・・・・・・・
え?なんで。
[状態はかなり重いが、処置をすれば必ず回復する。]
って、言ってたよね?なんで死ぬの?
あの病院の医師は何を見ていたの?
しばらく、頭の中が混濁して整理がつかない。
落ち着き、整理がついたのが翌朝だった。
通夜と葬儀の日程を聞かせれたときだった。
[おまえ。本当に死んじまったのか?]
受け入れがたい事実を、受け入れざるを得なかった。
あいつの両親は憔悴しきっていた。
僕なんかよりも遥かにショックだっただろう。
理解もできていないはずだ。
しかし、通夜に来ていたさまざまな人間
[あいつの現地の友人、奥さんの家族などなど]
から、さまざまな不穏な話が耳に入ってくる。
・親に[仕事]についてさんざん責められて
食べ物が喉を通らなくなり、コーラばかり飲んでいたこと。
→これが急性糖尿病の原因か。
・あいつが入っていた病院は[死の病院]と言われるほど評判が悪く、
あいつに何かしら変な対処をしたから死んだのではないか。
→え?まさか、これは医療ミスなのか。
精神をやんで体を壊したのならば
間接的に[両親にあいつの死の責任がある]ことになる。
そして。
事件性がなくても[行政解剖]によって
[医療ミスかどうか]を明らかにすることができる。
あいつの直接の死因を突き止められる。
だが、あいつの両親は
[あいつを傷つけたくない]とのことで行政解剖はしなかった。
結局、病院側が言ってきた[死因不明]で
あいつの死の件は片付けられてしまった。
15年経った今でも、あいつの死については理解できない。
なぜ死ななければならなかったのか。
すべての歯車が逆の意味で噛み合ったことで
本来起ころうはずのないことが起こった。
2005年11月22日。あいつの命日。享年25。
このとき、あいつよりも、僕のほうが明らかに
棺桶に片足を突っ込んでいた。
希死念慮から抜け出し始めてはいたが、
いつでも衝動的に自殺しかねない状態だった。
そんな死に体だった僕が生き、
元気に過ごしていたはずのあいつが死んでいる。
ほんとうに、今でも、今の状況が理解できない。
結花さんは、婚約者の死を受け止め、
整理をつけられているように思える。
心の内など読めやしない。
だが、文面を読むと、随分と安寧としているように見える。
僕とは逆。僕はいまでもあいつの死について
関係していたものについての悪意は消えない。
昇華することなどない。
僕は41になった今でも、未熟なままなのか。
乱文乱筆、失礼しました。
今回はこの辺で。では、また。