歌唱王~感想~ | 棚卸し

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人の不幸な人生を見たい方、いらっしゃい。
そして、心から嘲笑えばよいでしょう。

歌唱王感想。

歌唱王を視聴。2時間放送もちょうどよい。
だれることなく、歌を鑑みることが出来た。

さて。
基本としては、さすがは日本最強の10人
とても魅力的でハイレベルな歌を聞かせてくれた。
何も考えずにいるならば、
十分に味わいのある番組だった。

しかし。
僕の視点をいれると、少々指摘したいところが出る。
良い番組だったことを踏まえて、
更に良くなるしてほしいと思い、少し述べておきたい。

優勝者について。
優勝者は歌唱曲2曲を洋楽で固めてきた。
そして、ジャンルは
「ヒップホップ」と「R&B」
ブラックミュージックを送り出した。

このジャンルについて僕が思ったのは
○誰に聴かせることを前提にしたのか
 対象と考えられるのは二つ。
 1.住んでいる国である「日本」
 2.英語を母国語とする「アメリカ」など。


結論から言うと
「この2つへのアプローチがいずれも中途半端」
どちらにしても、満足行くものではない。
理由は。
1.「日本」で聴かせるには
 「言語」と「ジャンル」が合っていない。


日本は「日本語」を話す人がほとんど
そして、英語は日本人にとって馴染みのない言語。
人は母国語(+操れる言語)以外を耳にすると
多かれ少なかれストレスを感じる。


赤ん坊に母国語とそれ以外を聞かせる実験をしたら
それ以外を聴いた時に、
ストレスを感じたことを示す脳波が出た。
赤ん坊も人なので、おそらく
成長してもこの傾向は変わらない。

だとすれば。
いくら歌唱力があったにしても
「日本で聴かせる」にはかなり無理がある。


2.「アメリカ」などで聴かせるには
 残念ながら実力不足。


正直、彼女の歌を聴いて感じたのは
「だったら、本物の洋楽を聴いたほうが良いじゃない」
彼女の歌唱は本場のコピーに映った。
そう。彼女の歌である必要がない。
そして、本場のアメリカでは勝負にならないだろう。
「英語」を使う人を相手にするにも
「オリジナリティ」と「実力」が足りていない。

だから。「一体誰に聴かせるのだろうか」
という疑問を抱かずにはいられなかった。

とはいえ。
実力があるのは紛れもない事実なので、
今回感じた疑問をかき消すような進化を遂げ
どの世界にでも通用するような歌手になってほしい。

 

 

さて。
「オリジナリティ」について。
僕がオリジナリティを感じたのは二人。
一人は若干10歳の男の子
もうひとりはかつて優勝経験のある実力者


10歳の男の子は
「原曲に全く振り回されない自由な歌唱」
僕は高く評価したい。

今回の歌唱王では
実力は言うまでもなくても
「原曲の歌手」に引きずられてしまい、
どうしても、歌い方が似てしまう人がいた。
非常に勿体ない。
先程出てきた言葉と同じで
「じゃあ、オリジナルの歌手を聴けばいいじゃない」
になってしまう。

オリジナルの歌手の方が耳に馴染んでおり
「ほんもの」と感じられること
が多い。
いくら歌唱力が上回っていても
「二番煎じ」であることがマイナスになってしまう。
やはり
「この人じゃなきゃ聴けない」
どうしても必要になる。

この点でいうと、
「原曲とは全く違う」自分の歌い方が出来ていた
男の子は曲への順応性が高く、
将来にとても期待が持てた。
良い歌手に育ってくれよ。

もうひとり。
優勝経験者については
「日本語の歌を歌ってもらうならば
 この人じゃなけりゃダメだな」
とまで思わせる。
強い説得力を持ち、感動を呼ぶ歌を聞かせてくれた。


もちろん。
世界規模の音楽で通用するかと言えば、難しいとは思う。
ただ、日本語を歌い
日本人に聴かせていくのならば
日本語との相性が抜群であるこの子は
突出した能力を発揮するはずだ。
日本のうたを純粋に聴きたい人の場所へ行き、
各箇所で感動を与えてくればいい。それができる。
個人的には、彼をトップに据えたい。


あと。耳に残った子は
B'zとアヴリル・ラヴィーンを歌った
「ハードロック特化」の女の子だ。
ジャンルを固定してしまうので
歌う曲の幅は狭い。汎用性が低いのは
歌手として評価するには
どうしてもマイナスになってしまう。
同じハードロックバンドでも
曲のバリエーションはある。
そこにどう対応していくのかが
問題になってくる。


ただ。1曲1曲を分けて聴くならば
これほど強烈に押してくる歌声もなかなかない。
純粋な物理の力では
この子が間違いなく一番上だった。
好き嫌いで言うなら
今大会で一番好きな歌声だった。


さて。総じて。
様々に考えるところが多かった。
優勝者に対しては
少々厳しいことを指摘した。
しかし。
「つまらなかった」という意味ではない。
十分に味わえたからこそ
「率直な意見」を持つことが出来た。
ひとえに、能力の高さゆえだ。
面白かった。見てよかった。
その点は強調しておきたい。

 

翌年も見たい。ぜひ見たい。

翌年の出場者、より高みを目指して

挑戦してきてほしい。