「豊中地蔵さん歩」寸感(2) | 晴耕雨読 -田野 登-

晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。

先々週の土曜日、2018年10月27日
阪俗研会友の久木治男さんのご案内で
待望の「豊中地蔵さん歩」に参加しました。

同行した今村一善さんからの
レポートの続きを載せます。
◆そこから、街を歩けば、次から次へと、
 公園の敷地、ガレージの端、軒下、
 自販機の横、道か私有地か微妙な土地ていうか、
 道、通りに面していたり、通りに背を向けてたり、
 石だったり、木だったり、
 仏教っぽかったり、神道っぽかったり、
 こまめに生花が供えられていたり、
 ちょっとほったらかされていたり、
 地蔵盆には子供にお菓子を配ったり、
 祠の形や大きさ、賽銭箱の鍵から、固定資産税まで、
 どんな視点からも、興味がかき立てられ、高揚した時間を過ごした。
 そして、とどめに、とある町で、お話しいただいた。
 「うちの庭にも、お地蔵さんいてますよ」
 「ここら辺、そういうお家多いですよ」
 あぁ、この調査の沼は深い。

以下、田野による書き込み。
この地の街を歩きますと、
一見、お地蔵さんとは無縁かと思えるような
商店街にも大事に祀られています。
「自販機の横」に祠が肩を並べてあるのです。
お地蔵さんは、
車除けのプロテクターで守られていました。
写真図1 自販機の横の地蔵祠(本町3)

さぞかし、代受苦とて、
車からお店を守るために身を呈されたことでしょう。

お地蔵さんの信仰は、習俗か?宗教か?で
今から30年程前に法廷に持ち込まれたことがあります。
判決は習俗を主張した側に軍配が上がりました。
「公園の敷地」と思しき場所に
たくさん祀られていました。
写真図2 公園の敷地?(中桜塚2)の地蔵祠

さぞや、この公園は地蔵盆には踊るのに
相応しい場所ですが、如何でしょうか?

お地蔵さんは町内で祀るものと
決めてかかると
そうでもない場合があるようです。

「うちの庭にも、お地蔵さんいてますよ」
「ここら辺、そういうお家多いですよ」となれば、
個人宅で祀るのが先か?集落や町内が先なのか、
わからなくなります。
写真図3 屋外で祠無し(熊野町3)の地蔵尊群

今村レポートにある会話の場所は
千里丘陵の裾、
豊中台地東部に位置する、旧称「熊野田」です。
「熊野田」は古いお屋敷の傍らに
お地蔵さんが
固まって祀られている不思議な場所です。

 

久木さんから
とっておきの場所を案内されました。
その名は、ずばり「寄せ地蔵」です。
写真図4 寄せ地蔵(熊野町1)

ここでは、
祀りの場所をめぐって
ご神意を忖度して現在の場所に
結着が付いたとか?
なんぞやったようです。
路上の真ん中に馬蹄形をした
御影石の囲みの中に、
29体安置されています。

地蔵信仰は、
場所を変え、祀る人が変わろうとも
祀り継がれているようです。
いずれ、浦江塾でお話ししていただくことになります。

究会代表
『大阪春秋』編集委員
大阪あそ歩公認ガイド 田野 登