あなたはファウンデーションシリーズというアイザック・アシモフのSF小説をご存知でしょうか?
SF好きなら「銀河帝国の興亡」とか「銀河帝国興亡史」というタイトルでご存知かもしれません。
私はジュブナイル版で読んだのですが、冒頭でとても印象的なシーンがありました。
銀河全体を支配する巨大な銀河帝国が存在する未来。ある学者が複雑な計算を用いて、反映を極めている銀河帝国が遠からず滅亡すること、滅亡後長期間、文明が失われた暗黒時代が続くことを銀河皇帝の前で説明するというシーンです。
これを読んで当時の私は「将来はコンピュータを使うと未来を予言することが出来るのか」と感動していました。
しかし、現在の所、そのような計算式は考案されていません。
にもかかわらず、書店を眺めると「~大予測」とか「~の予言」等という本がいくつも出ています。
いわゆる超能力者がする「予言」は別として、その本の作者はどうやって将来を「予測」しているのでしょうか?
それは「因果関係」を用いていると考えられます。
「現在~と言う状況にある。これが原因となって~となる」というものです。
歴史上の出来事は必ずその出来事が起きた原因が存在します。
ですから、現在の状況を「正しく」理解し、「正しく」その影響を考えれば未来を予測することが出来るはずなのです(一番の問題は何が正しいのかが分からないところではあるのですが(^_^;)
けれども、私たちは誰でもある出来事について、「正しく」因果関係を把握することが出来ます。
それは歴史の本を逆に読んで歴史上の出来事の原因を探っていくことです。
そういう考え方に基づいて書かれたのが、今から二十数年前に書かれた「うめぼし博士の逆日本史」という本です。当時ベストセラーになったのでご存知かもしれません。
これは(当時の)現代(=昭和)からどんどんその原因を探りながら時代をさかのぼっていくという形で書かれた本です
先日の記事 でも、原因と結果に注目することを勧めましたが、それを徹底しているのがこの本です。
人の脳というのは疑問を持つと、その答えを無意識に探し出そうとするように出来ているそうです。
この本では常に「なぜ」という問いかけが行われています。「なぜこの出来事が起きたのか」そう意識しながら自然とこの本を読んでいくことになります。
このように意識づけることで記憶も定着しやすくなります。
教科書を読むときも単元ごとに「なぜこの出来事が起きたのか」という疑問を持ちながら読んでいくとこれに近い形で歴史を見られるようになると思います。
「なかなか歴史の流れがよく分からない」というお子さんがいらっしゃったら、逆に教科書を読んでみてはいかがでしょうか?(^^)
#この「うめぼし博士の逆日本史」は作者の方独自の視点からさかのぼっていくので歴史の勉強として読むのはあまりお勧めできませんが、歴史に興味を持つきっかけにはなると思います。古い本ですが、図書館や書店でも文庫版なら手に入るかと思います。興味があれば一度読んでみてください