英語の先生に「教科書の英文をちゃんと音読できるようになりましょう」というようなことを言われたことはありませんか
自分も学生時代はそんなことを言われましたし、英語の教師をしていたときは、まさにこれを生徒たちに言っていました!
おそらく英語の先生なら、ほとんど全員こういうことを言ってるんじゃないかなと思います。
とある有名な予備校にも音読をめちゃめちゃ推しているっていう先生がいましたよね(笑)
自分としては、英語の勉強のうえで音読が重要だという考えは今も変わっていません
これをしないで英語の力がメキメキとつくというのは、ちょっと難しいんじゃないかと思っています。
特にリスニングや長文読解(リーディング)の力をつけるには、音読は避けて通れないぐらいに思っています。
ところが、自分にとって不思議に思うことがあって、それだけ強調される音読なのに、そのやりかたについての説明はほとんど聞いたことがないんです。
もちろん、音読なんですから、声に出して文を読むということ以外に何もないんですが
でも、声に出して文を読むだけで、本当に読解力がつくんでしょうか?英語の力はつくんでしょうか?
たったそれだけで英語ができるようになるんだったら、だれも英語の勉強に苦労しないはずなんですが…。
そこで、今回は音読のやりかたについて、ポイントをいくつか示したいと思います
「先生とかが音読をやれって言うからちゃんと音読してるのに、全然効果がない」って思っている中学生や高校生の人がいたとしたら、それはやりかたに問題があるかもしれないですよ!
今から紹介するポイントがちゃんとできているかな、ってちょっとチェックしてみてください!
まず1つ目のポイントは、自分が読んでいる英語の意味をちゃんと理解して読むことです!
これが最大のポイントといってもいいぐらいです。
「音読をする」からといって、単に声に出しているだけ、文に書かれている単語の羅列を読みあげているだけ、単語の羅列を声にしているだけで頭がいっぱいってことになっていませんでしょうか
その音読で読んでいるのは英語であって、書かれている文にはちゃんと意味があります。
その意味をわからずに読んでいるだけなら、それはお経を読んでいるのと同じです(お坊さんが読んでいるお経には本当はちゃんと意味があるんですけどね)。
ちょっと考えてみてほしいんですが、入試とか英検などの検定試験とかで、長文を読むときは黙読しますけど、それを読むときは文の意味を理解していないとダメですよね?
あれがちゃんと自分でできるようになるのが目標なわけなんですから、意味をちゃんと理解しないまま声に出して読んでいたなら、何回音読したって英文の読解力がつくはずがないんです
I went to the park with my family last Sunday.という英文を音読するとしましょう。
たとえば、I went to the parkまで音読して「私は公園に行った」と簡単な訳を思い浮かべ、with my familyまで音読して「家族と」とまた簡単な訳を思い浮かべ、last Sundayと音読してから「先週の日曜日に」と思い浮かべるといったように、かたまりごとに音読して簡単な意味を確認するようにすれば、ちゃんと意味をわかって音読できますよね
英語が得意な人なら、1文まるごと音読しながら、家族とワイワイ公園にピクニックみたいな感じで行っている情景を思い浮かべるというやりかたでもいいでしょう。
大事なのは、ちゃんと語順どおりに解釈するなどして、絶対に返り読みみたいなことはしないということです
要するに、音読は試験などで英文を読むことができるようになるための訓練です。
試験などでの長文の読みかたと同じやりかたにしないと訓練になりません
もちろん、そういう音読のやりかただと、最初のうちは少し時間がかかってしまうかもしれませんが、それでいいんです
音読は1回やれば終わりってわけではありません。
同じ文章を2回目、3回目とくりかえすことが必要で、そうくりかえしていくと意味が思い浮かぶのが当然速くなっていきます。
そしてそういう訓練をしていくとほかの英文を読むときにも、同じような感じで英文のおおまかな意味をとらえるのが速くなっていくわけなんです。
そんなふうに英文の意味をつかみながら音読する以外に、大事なポイントはまだあります。
本文の論理展開を意識しながら音読するということです
「ここで前に行ったことの具体例を挙げてるな」「ここで言っていることは、前の段落への反論やな」みたいなことを理解しながら音読するんです。
どういう展開で話が進んでいっているのかをつかみながら英文を読むことが試験では要求されるわけなので、音読をするうえでその訓練をしていきましょう、ってわけです。
もうちょっと具体的な例を挙げてみますね
たとえば、本文を音読していて、For exampleというのが出てそれを読んだとしましょう。
そのときに「あ、「たとえば」っていう意味のが出てきたから、今から例を言っていくんだな」と心づもりしながらつづきを読んでいきます。
On the contraryというのが出てそれを読んだら、「あ、今から対比させることが述べられていくぞ」と考えながらつづきを音読していくわけです。
さっきの「英語の意味をちゃんととらえる」ってこともやらないといけないのに、論理展開も気にするなんて無理だと思ったでしょうか?
最初のうちは、まず1文ずつ読みながら英語の意味をとらえて、接続詞が出たときに「あ、こういう関係を示す接続詞だよな?」という確認をするというのでも大丈夫ですよ!
慣れてきたら、それらを手がかりにどういうことを言いたい段落だったか、前の段落との関係はどうなるのかということを考えるというようにするのはどうでしょうか?
最後のポイントは、さっきチラッと述べましたが、1回だけで終わらせないということです。
英語が苦手な人がここまで述べてきたことを1回の音読でやるのは難しいというのが本当のところだと思います(とくに英語が苦手な人なら)。
また、音読をすることで口を動かし、耳で音声を聞くことにもなるわけですから、そういったからだを動かすことで語彙を高めたり、聞いた英語の音声の意味をつかんだりといったスピードも速めることができます。
何回もそれをやると、それらの習得がだんぜん有利になります(ダンスの練習とかを1回だけですませるなんてことをしないというのと同じですよね)