このブログの「サクッと演習」シリーズの問題の解説で、よく書いていることが、
「英文は最初に〈主語+動詞〉、つまり「だれが」「どうする」ということから始まる」
ということです。
もう何回これを書いたことか、自分でもわからないほどです(笑)
逆にいえば、英作文の問題など、自分が英語を書くという場合でも、「だれが」「どうする」ということがわかっているんなら、それから書いていってしまえばいいということになります。
小学校の国語で、「主語」「述語」なんて習ったと思いますが、その主語と述語をうまくつかんだのなら、そこを英語にまず書き出し、そのつづきとして、まだ英語になおしていない部分を書いていけばいいわけです。
(日本語だと「述語」というのに、英語だと「動詞」となって呼びかたが変わるのは、ちょっと面倒ですね)
そう考えると、英作文もそこまでややこしいというわけではないという印象を抱けるんじゃないでしょうか?
主語や述語の見つけかたは、小学校の国語でもやったことがあるはずですから、そこまで苦労しないんじゃないかなと思いますし
ただし、「主語は「~が」「~は」って言ってる部分やろ?」ってもし思っているならご用心!
そのような機械的な見分け方だと、思わぬ落とし穴にはまっちゃうかもしれません
たとえば、この会話で下線をひいた文の主語・述語はどれかわかりますか?
A:「そういえば、甘いもの好きって聞きましたけど、あなたの好きなお菓子って何ですか?」
B:「チョコレートが好きです」
この文の述語は「好きです」の部分だというのは明らかなんですが、「主語は「~が」の部分だから、この文の主語は「チョコレート」だ!」としてしまったらアウトですよね
もしこの文の主語が「チョコレート」だとしたら、チョコレートが何かのものを好きになっているということになりますから、食べ物が意思を持ってるようになってこわいですね(笑)
英語にすると、Chocolate likes.となって、よけいおかしいことがわかると思います。
そうじゃなくて、「好きだ」と考えているのはだれかと考えると、この文を口にしたBさんのことだとなりますね?
なので、この文の主語はBさんのことで、もしこれを英文にすると、I like chocolate.となるわけです(Bさんにとっては自分のことなんで、「私」が主語になります)
日本語には主語じゃないのに「~は」としているのがそこそこあります
「最近はスポーツが苦手な子どもが増えている」などのような文だと、「~が」や「~は」の部分で機械的に主語と見分けるのがなおさら無理ということがわかると思います。
じゃあ、主語はどう考えていけばわかるんでしょうか?
動詞の部分(述語の部分)はわかりやすいですから、その部分をまずは明らかにさせ、その部分に対応している人やものは何かという順に考えていくべきでしょう。
さっきの「チョコレートが好きです」というのも、述語の「好きだ」から、その「好きだ」と思っているのは誰かということで主語の部分を説明しました。
このように、述語部分のことをやったのは誰かというように考えると、主語がわかりやすくなると思います
このように考えると、どういう表現を使うのが正しいのかという説明もしっくりわかるようになります。
たとえば、
「今日、東京は雨です」
という文を英語にしたいとなったとき、主語や動詞はどう考えたらいいでしょう
述語の部分は「雨です」というのはわかります。
主語は「東京は」とあるので、これを主語にしたくなりますが、本当にそれでいいんでしょうか?
もし、「東京」を主語にしてしまうと、Tokyo is rain.となっちゃいます。
高校生なら、be動詞の文はSVCの形だから、S=Cという関係だと教わると思いますが、要するにbe動詞でつながれたものはbe動詞の前後がイコールの関係になるということです。
ということは、Tokyo=rainという関係が成り立つことになりますが、東京そのものが雨だというわけがないですよね
「雨です」と言っていますが、何が雨なのかというと、「東京の天気」が雨だということです。
これが主語になるはずですが、天気がどんなのかを述べるときは、主語にitをおくというのがありましたね?
このitを主語におきますが、ということは、「雨です」という英語もrainとしてしまったらダメなはずです。
雨の天気をいうときは、rainyという形にするか、is rainingとしてましたよね?
よって、正解はIt is rainy in Tokyo today.とかIt is raining in Tokyo today.となるわけです。
このように、主語と動詞の部分を考えて行く過程で、「こういうことを述べるわけなんだから、こういう単語を使うのが適切」という判断をすることとなるので、正しい英作文ができる力がついてきます。
「英語が苦手でそこまでは…」という人も、このように主語と動詞を考えるという過程をふんでいれば、参考書とかの解説にある「この表現は不適」という説明がわかりやすくなるかもしれません
さらに、このような考えかたをしていると、動詞の形のミスも減らすことができます
動詞の部分から主語が何かを考えるということですから、いったん動詞の部分に自分の考えの焦点があたっていますね?
そのときに現在形なのか過去形なのかなど、時制に気づくことができるでしょう。
そして、そこから主語の部分を考えるはずですから、主語の部分がわかったら、それが単数(1人・1つだけのもの)か複数(2人・2つ以上のもの)かをチェックするようにするといいですよね?
そうすると、三単現のsのつけ忘れを防ぐことにも役立ちますね