あんまり書くことがないけれども、れっきとしたアルファベットのうちの一つがQでしょう。
けっこう世に知られているというか、見かけることは多いような気はするんですが、単語のスペルの一部として書くことって、あんまり多くないような…
パソコンのキーボードでも、あまり押されることがないからなのか、「Q」のキーは一番左端に追いやられていますよね
そう思うと、ちょっと不思議な文字ではあります。
今回は、そんな文字「Q」についてのちょっとした雑学を書いていきたいと思います。
おそらくどれも「あ~、言われてみるとちょっと気になる」っていうものばかりだと思います
3つ紹介していきます!
・Qの文字とスペル
これを読んでいるかたにちょっとやってみてほしいのですが、Qの文字を使った単語で思いついたものを紙に書いてみてください。
Qが頭文字にきてもいいですし、途中にあるものでもけっこうです。
いかがでしょうか
queen,quiz,questionぐらいはすぐに思いついたかもしれないですね。
もっとがんばって、quietやquick,quicklyとかquiteが出たという人もいるかもしれませんし、英語が得意な人だとひょっとしたらqueerやquestionnaireなどほかの単語も出たかもしれません(それぞれの単語の意味は今回は省くので、意味が気になったかたは辞書でどうぞ)。
さて、ここでその書いたスペルをよーく見ていただきたいのですが、書いた単語のスペルでqの文字の次に絶対uが並んでいますよね?
さっき自分が挙げた単語もqの後には必ずuがありますが、実はqを使った単語のスペルは、ほぼ絶対の確率でquというのが含まれているんです。
なんでこんなことになってるんでしょう?
その理由は英語の歴史と関係があります。
もともとqの文字は、[kw](正確ではないですがカタカナ表記するとクゥ)と発音する部分に対してあてがわれていました。
ただし、大昔の英語(古英語といいます)では[kw]にあたる表記はcwと書いていました。
そして、中世の時代になると、フランスの一地方を治めていたノルマンディー公ウィリアムという人物がイングランドを征服していきます。
中学生は学校で習うことがないと思うのですが、高校で世界史を勉強している人は「ノルマン=コンクエスト」と習うアレのことですね?
この影響により、イングランドの支配階層の人はフランス語しか話さないという状況になり、古英語のcwという表記は当時のフランス語表記のquにとってかわるようになりました。
qを使った単語のスペルにquが含まれるようになったのは、これが原因です
ただ、qが使われている単語が全部quとなっているかというと、そうではありません(さっきも「ほぼ絶対の確率でquというのが含まれている」としたのはそのためです)。
Iraq(イラク(西アジアの国の名前))、Qatar(カタール(西アジアの国の名前))、suq(アラブ諸国の青空市場)、Qintao(チンタオ(中国の都市名))はqの後にuはきません。
ただ、意味を見てわかったと思いますが、これらは全部アジア地域由来のものばかりなので、英語圏からすると「外来語」にあたります。
そういったものはしかたないのですが、もともとから英語圏にある単語についてはそのような「法則」があるんですね
・Qの文字の起源
Qはほかのアルファベットとちがって、なんかちょっと変わった形をしてると思いませんか?
穴からねずみがしっぽを出してるような形ですよね。
でも、「穴からねずみがしっぽを出してるような形」っていうこのたとえ、決して的外れのものではないみたいですよ
アルファベットのQの起源はフェニキア文字という文字にあります。
フェニキア文字のひとつに「コフ」というものがあり、この文字は丸から線を一本おろしたような形になっています。
この文字が変化してQになったとされていますが、一説によると、この「コフ」は「猿」という意味があるそうです。
つまり、「コフ」の文字は猿のおしりとしっぽをあらわしているというわけです
やがて時が流れていって、丸からおろされた一本線が横方向へと伸びるようになりました。
これは単に自分の感想・推測でしかないのですが、この変化はおそらく一本線が縦のままだと縦に長い形になってしまい、1行の幅がすごく高くなって不都合があったからじゃないかなと思っています。
特に書物とかになると、1行の幅が大きくなっちゃうのは手痛いはずですからね
ちなみに、さっき「一説によると」と書いたとおり、「猿のおしりとしっぽ」以外に違うものがもとになっていると考えている人もいるそうです。
「コフ」には「針穴」という意味もあり、針の穴に糸を通した状態をもとにQという文字ができたという説もあります。
(針の穴に糸を通した状態は家庭科の授業とかで見たことがあると思うのでイメージはしやすいと思いますが)
どっちを信じるかは、みなさんにおまかせします(笑)
・クエスチョンマーク
英語の疑問文を書くときは、必ず?で終わらないとダメですよね。
この?の記号を、日本では「はてなマーク」と呼ぶ人もいるんですが、ちゃんとした名前は「クエスチョンマーク」といいます。
あらためて説明しなくてもわかるとは思うんですが(笑)
さて、このクエスチョンマークも、実はQの文字が関係しているんです。
そもそも、このクエスチョンマークは、なんであんな変な形をしてるんでしょうか
その答えを解くカギをにぎっているわけなんです。
古代ローマぐらいまでさかのぼるほどの大昔の時代、ラテン語という言語がありました。
ラテン語はイタリア語やフランス語、スペイン語などのもとになり、英語やドイツ語、オランダ語などの語彙に影響を与えた言語です。
いわばラテン語はヨーロッパの言語の「生みの親」ですね
そのラテン語にquaestioという単語がありました。
「質問する」という意味の単語で、ピンときたかもしれませんが、英語の「質問する」の単語であるquestionのもとになっています。
この最初と最後であるqとoを取り出して縦に並べることでクエスチョンマークができたわけです。
ちなみに、余談ですが、「エクスクラメーションマーク(びっくりマーク)」という名前の!も、ラテン語の喜びをあらわすことばであるioを縦に並べることでできたみたいですよ