これを読んでいる中学生・高校生のみなさんに、算数の問題です。
半径5cmの円の面積を求めてください。
ただし、円の面積の公式を使わないで求めてください。
「そんなのできるかい」と思われたかもしれませんね。
そのお気持ちはごもっともです。
実際は、円の面積の公式については「こう考えれば円の面積の公式を導き出せる」という考え方があるので、その考え方にのっとって求めていけば、公式を使わなくても解けるのですが、その「考え方」を何もない状態から思いつくというのは、めちゃくちゃ難しいと思います。
(ちなみに、円の面積の公式の導き方はネット検索すれば出てくると思いますので、興味がありましたら検索してみてください)
このように、公式を使うなど、解き方にある一定の「型」がある問題というのは、いろんな教科であると思います。
英語でもそのようなのはありまして、英作文では特にそうなんじゃないかと思っています。
たとえば、「この問題を解くのに1時間かかった」という文を英語になおすとすると、どうでしょう
It took me one hour to solve the question.とできますね。
It takes A [時間] to不定詞 ~で「Aが~するのに[時間]かかる」という構文を利用した英作文ですが、この構文を知らない状態で英語になおすのは、なかなか難しいと思います。
(おもに高校英語で出てくる構文なので、この英訳は中学生にとっては特に難しかったかと思います)
英作文の問題で、模範解答の英訳がありますが、こういう模範解答は、そういう「型」を意識して英語に訳しているものです。
英作文が苦手という人は、そういう「型」の知識が不足しているという原因が考えられます。
そういう人は、まず模範解答の英文をしっかり読み込んで、「こういうことを英訳したいときはこう表現する」という「型」を理解し、その英語を覚えていくのが、まず重要だということになりますね。
「う~ん、英作文が苦手というのはたしかだけど、「型」の知識が足りてるかどうかってわかんないしなあ」という人でも、模範解答の暗記はおすすめです。
本屋さんで立ち読みして見つけた内容で、「なるほど」と思ったことなのですが、この日本語をきちんとした英語に訳せるでしょうか?
他人に聞かれたくない情報
これを日本語にあるとおり、the information you don't want others to hearとするのはあまりよくありません。
まず、「他人に聞かれたくない情報」というのはいろいろな情報があるわけで、「この情報」と特定できるものではないのでtheが不要です。
そして、コロケーションの問題として(要するに語法的なことで)hear informationとするのはあまり一般的ではありません。
hearの後にinformationが来るというのは、あまり英語ではしない表現なんだそうです。
よって、さっきの日本語を英語になおすとすれば、こんな英訳が考えられます。
things you don't want others to hear(つまりinformationをthing(こと、もの)に変える)
information you don't want others to know(つまりhearをknow(知る)に変える)
things you want to keep secret(「他人に聞かれたくない」を「秘密にしておく」と解釈して英訳する)
こういう細かい語法(コロケーション)について避けたほうがいい表現というのは、なかなかわからないものです。
ですから、模範解答と自分の英訳が違うからといって、「自分のこの英訳でもいいんですか?」と自分流にこだわりすぎてしまうのは、英作文が苦手な人にとってはマイナスになることが多いと思います。
(たいてい英作文が苦手な人のその英訳は、語法的にちょっと不自然ということになっているような気がします)
まずは模範解答の英訳をしっかり覚えて、正しい英語のストックを増やしていきましょう。
自分流の英訳でいいのかどうかを気にするのは、そういう積み重ねをして、ブラッシュアップをしてからでもじゅうぶんだと思いますよ。