このブログで、リスニングの勉強法を書いたときには、その音声のスクリプト(つまり、音声が何と言っているかが書かれた台本のようなもの)を用意することが必要なものが多かったような気がします。
その英文を見ながら聞いて、どの部分がどう聞こえてるのかを確認する、とか、聞きながらスクリプトの英文を音読してみる、とか。
今回は、そのスクリプトをできるだけ使わない勉強法について提案してみたいと思います。
「できるだけ」と書いたのは、やはりスクリプトがあるほうが正確性が上がるし、効率面でもいいからです。
「音読をしましょう」というような内容をこのブログで紹介しましたが、ふつう音読というのは、英文を1回読んだら「ハイ、ここでおしまい。じゃあ、次の英文は…」ってならないですよね
同じ英文を何度も何度も音読するというのが、ふつうです。
1回読んだだけでその英文がしっかりスラスラと、発音もネイティブみたいな感じで音読できるなんて人は、そんなに多くないはずです。
その英文が本当に「自分のもの」となるためには、1回の音読だけでは足りないはずであり、だからこそ何回もの繰り返しが必要なわけです。
これと同じことは、リスニングにもあてはまります。
くり返し同じものを聞くと、理解できるようになる部分が出てくるようになります。
そうなったときは、英文の中のその箇所について、音と音のつながりとかイントネーションとか、あるいはその部分の英語の表現などが、自分のものとなったといえるわけなんです。
英語の音のリズムとか音と音のつながりなど、音声上の特徴というのは、くり返し同じものを聞くという方法でないと、なかなか効果が得られにくいと思います。
なので、スクリプトを見ないで何度も何度も同じ音声を繰り返し聞いて、「何と言ってるんだろうな」と考えてみてほしいわけです。
そうやって何度も聞いていくうちに、「ひょっとしてこういうことを言ってるのかな」というのが見えてくるはずです。
そういう「カン」がなんとなく浮かび上がってきたときに、ようやくスクリプトを見て、合っているかどうかを確かめてみましょう。
こうやって「何度も何度も聞く」って言われると、かなりの時間をかけてやらないといけないイメージがありますよね?
今の中学生や高校生には、そこそこの長さがある文章について何度も何度も聞いてみるという方法はとりにくいかと思います。
部活や他の教科の勉強、ほかにやりたいことなど、忙しすぎでしょうからね
なので、この方法をとるのであれば、5分以内、なんなら1分程度の短いものを利用したっていいんです。
ただし、英語の勉強用に録音されたなとわかるような、ゆっくり話されたものではなく、ネイティブのスピードのものを使うようにしてください
一言一句完璧に理解する必要はなく、最初はまったく理解できなくてもいいわけで、徐々に聞き取れる部分を増やすことを目標にすればいいわけですので、それをするためにはネイティブのスピードのものが絶対にいいからです。
とにかく耳を慣らすこと、全体の意味をつかむことが重要なので、その意識のもと集中して聞きましょう。
全体のおおまかな意味がつかめてきたら、スクリプトを見て、合っているかどうかを確かめますが、そこからの勉強法は、このブログで今まで書いてきた方法を使っていけばよいでしょう。
スクリプトがないという場合は、答え合わせができないので、たとえばその音声を入手したところの情報をじっくり見て、その情報と自分がつかんだ「おおまかな意味」にずれがないか、矛盾しているところがないかを確認することを「答え合わせ」の代わりにしてください。
同じものを繰り返し聞くという訓練をしばらく続けたら、たまに「力だめし」のつもりで英語のドラマとか映画、ニュースなどを見てみてください。
youtubeなど動画サイトにアップされているようなものでもいいでしょう。
訓練をはじめる前より、「わかった!」「聞き取れた!」という部分が徐々に増えてくるかと思います。
そのようになってたら、うれしくなって、モチベーションもきっと上がるはずです。
わかったという部分が増えていればOKなので、そのドラマや映画などの言っている英語が全部わからなくてもいいんです。
同じものを繰り返し聞くという訓練は、やっぱりモチベーションが保ちづらいと思いますし、ちゃんと力がついているのかわかりにくいですから、モチベーションを保つためにこの「力だめし」をしていると思ってください。