ある長い文章があったとして、その文章にはどんなことが書いてあったかを人に伝えるとき、ふつうどうするでしょう?
その文章のコピーを作成して「これ読んだらわかるから」と手渡すという方法もあるでしょう。
でも、そんなことをする人は少数派でしょう。
たとえば仕事に関係する書類について上司に内容を聞かれたとして、そんなことをしたら、「いや、そんな時間がないから聞いてるんじゃないか!」などと怒られるのがオチですし、だいたいそんな対応をすればいやな顔をされちゃいますので(笑)
たいていは、「〇〇で、●●で、そして△△ということが書いてあった」というような、おおまかな内容を教えますよね。
このおおまかな内容が「要約」です。
読書感想文の宿題をやるときに、原稿用紙の字数をかせぐために、最初に本のあらすじを書くなんてことをする人がいるかと思いますが(自分もそうでした^^;)、この「あらすじ」の部分なんて、まさにその本の内容の「要約」ですね。
今回、自分がリーディングの勉強法として提案したいのが、この「要約」を書いてみましょうということです。
「要約」を書くには、英文の内容をわかっていることが必要ですが、それだけじゃなく、そのうちどの部分が重要な部分なのかがわかっていないといけませんね(何かの主張をしている文章だったとして、その主張を裏付けるための具体例である部分は要約に入れなくていい、など)。
その重要な部分がわかるには、その文章の流れや論理構成をつかむ必要があります(「この段落は具体例で、次の段落は新しい主張」とか「この文章は単に時系列で物語が進んでいる」など)。
なので、要約を書くという訓練をすると、リーディングをするうえで必要な力が身についていくということになります。
そして、この要約を書くときに自分がおすすめしたいのが、英語でそれを書きましょうということです。
文章にしてアウトプットをするというのは、英語のライティングをするというわけですから、リーディングの勉強にプラスしてライティングの勉強にもなるからです。
しかも、自分で文を考えて書くわけですから、自由英作文の訓練にだってなります。
英語が得意な人ならそれでもいいかもしれませんが、「自分は英語が苦手だし…」と腰がひけちゃっている人は、徐々にやっていくのはどうでしょうか?
まずしばらくの期間は、英語で書くなんてことを気にしないで日本語で要約をするということだけをやっていくようにします。
日本語でどう言えばいいかわからないことを英語で言うなんて無理に決まってますから、まず日本語で要約できるようになる訓練を積みましょう。
そのときに、英文のどの部分をもとにその要約を書きあげたかがわかるように、その英文のところに下線をひくなど、印をつけておく訓練をすると、よりいいでしょう。
日本語での要約に慣れてきたら、次に英語で書くというウォーミングアップ期間に移ります。
要約にするうえで参考にした英文を抜き出していって、それをつなげていくということをやっていきます。
基本抜き出すだけでOKで、抜き出しだけだととてもちぐはぐな感じの文章になるので、接続詞のようなつなぎことばなどを利用して、少しでも不自然さをやわらげるような文章にするというわけです。
ちなみに、完全に自然な感じの英文にしようとする必要は、ここではありません。
どういうところに目をつけて英文を書くべきか、英語の要約を書くというのはどういう手順でやって、どう書いていくべきかなどをつかむのがウォーミングアップの期間での目標なので、ちょっとは自然になるような英文にするという心がまえで大丈夫です。
さっき、英文のところに印をつけておく訓練をするといいと書いたのは、英文の要約を書きやすくするためでもあるわけですね。
その英語の要約を書くことにも慣れてきたら、いよいよ自然な感じの英文にするということに取りかかります。
不自然な感じがあったら、なぜ不自然な感じなのかを考え、どう書けば自然な感じになるかというのを考えながら書きましょう。
一部をもっと簡単な英語にすることができるのなら、それをやってみるというのでもいいかもしれないですね。
さて、こんなことを書きましたが、「そもそも英語が苦手な人は、どんなのが不自然な英文で、どんなのが自然な英文かわからないのでは?」と思われたかもしれませんね(^_^;)
おっしゃるとおりで、これをしていくうえではほかの人の手助けが必要なこともあるかもしれません。
自分で判断が難しければ、英語が得意な友だちとか、学校の先生、塾の先生などに相談することをおすすめします!
ただ、自分の意見ですが、ウォーミングアップ期間のときは、あくまで「訓練」期間ですから、そこまで「合ってるのかな、どうかな、どうかな」と悩まなくていいと思います。
自然な感じの英文を書くときに、相談してみたらいいんじゃないかなって思います。