最近の単語帳は本当にすごいものです。
単語の部分を見ると、意味が書いてあるのはもちろんなんですが、1つの意味だけじゃなく、いっぱい意味が載っています。
親切な単語帳になると、その中の重要な意味を赤字で示していたり、太字にしてくれたりして、目立たせてくれています。
それだけじゃなく、例文が載っていて、どんなふうにその単語を使った文が書けるか示してくれています。
そして派生語とか反意語・同意語まで載せてくれているのもありますね。
「もう英和辞書なんかなくても、単語帳だけで勉強できるんちゃうか?」と思うほど、高機能なものになっていますね。
さて、英語が苦手な高校生の人は、「さあ、これを使って単語を覚えていくぞ!」と思いながら、その単語帳を開くとき、どう覚えようとしますでしょうか?
「せっかく覚えていくんだから、意味を全部覚えるぞ!」とか、「派生語とかも載せてあるから、これも覚えるぞ!そうすれば、まとめていっぱい単語を覚えられるやないか」とか、そんなことを思うってことはないですかね?
その心意気は本当にすばらしいと思います。
やる気を出して勉強しようとしているんですから、こんないいことはないでしょう。
でも、ちょっと待ってください!
本当にそれで覚えようとしていって大丈夫ですか?
たぶんだんだん息切れしてきて、そしてだんだんいやになってきて、「もうやーめた」なんてオチにならないでしょうか?
あれもこれも覚えようとするのは、かなりの負担です。
英語がよっぽど好きだという人じゃない限り、全部を覚えようとするのは、なかなかの労力が必要です。
しかも、そういうふうにしてしまうと、「ちゃんと覚えれたかな?」とふり返り(チェック)をしたり、忘れてしまっていたのをもう一回覚えなおしたりするのに、かなり多くの時間が必要ということになります。
英語だけじゃなく、他の教科も勉強しないといけないのに、これは大きなネックです。
しかも、それだけ多くのことを覚えようとするのですから、忘れてしまっているのも多くなるはずです。
「こんなに多く忘れちゃっていたのか」と思うと、英語が苦手な場合だと、ひいては「あ~、自分って覚えるのが苦手なんだ、だから英語がダメなんだ」なんて思考になってしまいがち。
ますます英語への苦手意識が根付いてしまうことにもつながります。
英語が苦手な人は、単語帳のそういう高機能さにひかれず、まず「その単語の重要な意味を1つ覚える」という姿勢で覚えていきましょう。
英語1個に対して日本語の意味1個、1対1の形で覚えるんです。
そうすると、意外とスッキリした形となり、ポイントも明確になりますし、覚えるのにさほどの労力もかかりません。
ふり返りとか覚えなおしも、最小限の負担ですみます。
1対1のシンプルな形で覚えるかわりに、その日本語の意味を瞬時に思い出せるぐらいにまでもっていきましょう。
単語を見て0.1秒後にパッと日本語の意味が浮かぶぐらいにまでしておくんです。
長文を制限時間内で読むには、単語の意味がそれぐらいのスピードで浮かばないと、時間に間に合わなくなることもありますからね。
まずは欲張らずに意味を1個!
それをまずはやってから、他の意味だとか関連語とかに手をつけていきましょう。