●黄色いからす(1957年) 監督:五所平之助
主な出演:淡島千景 伊藤雄之助 設楽幸嗣 田中絹代 安村まさ子 久我美子 多々良純 飯田蝶子 高原駿雄
い。それもそのはず、父を知らずに育ってきた息子の清はイマイチ馴染めないし、実の父親でありながら母を取られた気持ちもあるだろう。方や一郎は復職した会社での待遇に大きな不満を抱え、それが家庭でも表れる。
父と息子のはざまで悩むマチ子。やがて一郎とマチ子との間に子が生まれ、清の疎外感はますます強くなる。
以前から小動物や虫を買うことで寂しさを紛らわしてきた清だが、ある日、傷ついた1羽のからすを拾い飼うことに。それを一郎に厳しく咎められ、ついに家出をしてしまう。
清が描いた「黄色いからす」は、誰にも打ち明けられない心の苦しみを表現したものかもしれない。
一郎家族の隣に住む雪子(田中)は養女の春子(安村)と2人暮らしだが、明るく幸せな生活を送っている。子供たちの心を素直に受けとめ、常に理解と優しさを向ける雪子の存在は大きな救いであり、悩むマチ子に対しても今後の家族のあり方を提案する。
しかし・・・ この田中絹代さんの役どころは本当に「ズルい」と言えるほど良い役。
動物を媒介とした家族の関係という点では、アメリカ映画の『子鹿物語』に通じるものがある。
さすがに五所監督の作品だけあって、しみじみとした慈愛が表現された感動の名作。








































