海上自衛隊の命名・進水式 1 | 戦車のブログ

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海上自衛隊の命名式・進水式とは、艦艇が進水する際、防衛省では、まず、その艦艇に対して命名を実施し(命名式)、その後、会社側が進水式を実施することを言う。

 

 

 

進水式は、造船において造船台で組み立てられた新造船舶を初めて水に触れさせる作業・儀式のこと。

 

進水式と同時に船の命名式が行われるのが通例。

 

ただし大型船でドックにて建造された場合、進水はドックへの注水となるため命名式のみとすることがある。

 

 

式自体は船台進水もドック進水もほぼ同様だが進水式が終わると、艤装が開始され、それが終了するとようやく竣工し船舶として完成体となる。

 

進水式の場合はそれがたとえ量産型の船舶であっても必ず一隻ごとに催す。

 

大型船の進水式では地元民を招待したり一般公開するなど、イベント的な要素もある。

 

 

 

西洋で行われていた進水を祝う催しが装飾や儀式に変化していったという説がある。

 

ヴァイキングは進水式において人間を生贄として捧げていたとされ、後には生贄ではなく血を連想させる赤ワインを使う風習となり、さらに白ワインからシャンパンに変化したのが通説とされる。

 

 

進水式ではシャンパンのボトルを船体に叩きつける儀式が行われるが、法律で規定されているわけではないのでワインやウイスキーなど他の酒類が使われることもある。

 

2014年に行われた英海軍空母クイーン・エリザベスの命名式では、同艦がスコットランドのロサイスで建造されたことからボウモア蒸留所のスコッチ・ウイスキーが選ばれ、エリザベス女王自ら命名とともにギミックのボタンを押し、無事にボトルが割られた。

 

 

日本では日本酒を使う場合もある。

 

1811年、当時のイギリス皇太子・ジョージ4世が軍艦の進水で、その役目を女性にあてるよう決めたことから、西欧では女性がボトルを割るのが慣習化し伝統として確立した。進水式の際に、船に当たったボトルが割れないと、その船は不幸になると言われている。

 

 

進水式には大別して2種類ある。

 

進水する方法には、造船台に乗ったままドックに水を注入して進水式とする「ドック進水」と、造船台から進水台を滑り水面に入水する「船台進水」がある。

 

このうち、造船台から進水台を滑り水面へと入る進水式の場合、通常は船側または船尾から水に入る。

 

これは、船首側から進水すると勢いが付きすぎてしまい、場合によっては転覆してしまう恐れがあるためである。

 

現代では大型船は安全性が高いドック進水が一般的である。

 

 

日本における進水式では、まず命名式が行われた後、支綱切断の儀式を行う。この支綱はくす玉とシャンパンなどに繋がれており、切断と連動してシャンパンなどが船体に叩きつけられると同時に船名を覆っていた幕が外れ、くす玉が割られ、くす玉本体とその周辺から大量の紙テープ・紙吹雪などが舞う中、進水台を滑り(またはドックに注水し)進水となる。

 

この支綱切断の時に使われる斧(ハンマーや小刀、はさみの場合もある)はその艦船ごとに新しく作られる。

 

戦後日本においては銀の斧が使われ、特に刃の左側に3本、右側に4本の溝が彫られているものがよく見られるが、これは日本独自のものである。

 

日本で初めて斧が使われたのは1891年、巡洋艦・橋立の進水式であったが、その後数十年は当時西洋で一般的だった槌とのみによる支綱切断と併用された。

 

 

銀の斧は古くから悪魔を振り払うといわれている縁起物で、1907年、佐世保海軍工廠における防護巡洋艦・利根の進水式で最初に用いられた。

 

当時工廠の造船部長であった小山吉郎が、日本の軍艦の進水式なのだから西洋式の槌とのみではなく、日本古来の長柄武器である「まさかり」様の器具を支綱切断に用いるべきとして、新たな斧を発案したのがはじまりである。

 

この時の進水斧では、左側に彫られた3本の溝はアマテラス・イザナギ・イザナミ、右側に彫られた4本の溝は八幡神・春日神・豊受大神・猿田彦を示すとされていた。

 

現在では、左側の3本の溝は三貴子(みはしらのうずのみこ:アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)、右側の4本の溝は四天王を表すと考えられている。

 

海上自衛隊では、命名式を行った後、続けて造船会社による進水式を行うため『命名・進水式』と称している。

 

神道式で進水式を斎行する時の一例として、まず手水、修祓、降神、献饌、祝詞奏上を行ってから、神職が米や塩や酒や切麻などで船を清める。

 

次に神職は命名書を船主に進め、船主は舳にて命名書を読む。

 

次に玉串拝礼、撤饌、昇神を行い、神職は忌斧を船主に渡す。