第七師団の戦車射撃競技会も終わった。
女性戦車小隊長が指揮する戦車小隊も参加して注目された競技会だったようで有名なミリタリーカメラマンが集結していたようだ。
戦車小隊長は機甲科の初級幹部の登竜門で、この時期の訓練が直接戦車を指揮し、小隊を指揮し戦車にどっぷり乗って訓練する機会だ。
それ以上の階級になりポストも上になるとなかなか戦車にも乗る機会は少なくなるし、直接戦車に乗ることも激減するからね。
叩き上げの部内幹候の幹部やSLC出身の幹部は別として防大や一般幹候出身の若い幹部は「機甲幹部」となっても戦車に乗れるのは実はそんなにないのだ。
機甲幹部は戦車部隊も偵察隊にも勤務するし、必ずしも戦車乗員になるとは限らないからね。
なので若手の小隊長はこの時期こそが戦車乗りとして戦車に関われる一番のころなのかも知れない。
私の思い浮かべる戦車小隊長はいろいろいるが、やはり新兵の頃に配属された小隊長がイメージされる。
生徒出身で部内幹候から三尉になった新進気鋭の小隊長で元気いっぱいの小隊長殿であった。
この小隊長には偶然にも退職後も縁があってお世話になった。
戦車射撃競技会では北海道の戦車部隊が集結し、戦車小隊長が集まる。
ベテラン戦車乗りの小隊長もいるし、幹部になりたての小隊長もいる。
しかし小隊となると4輌の戦車にはそれぞれの戦車長を頭に砲手、操縦手がいる。
技量もそれぞれ違う。
それを指揮して小隊長の真価を発揮できれば後々まで「あの時は・・・」と思い出話になるのである。
ただ残念なのは戦車部隊の削減と戦車の削減で、元居た「原隊」がすでに消滅していたりすると再会の機会もなかなか無くなってしまうことだ。
戦車射撃競技会に今行っても先輩より後輩の世代しかおらず、その後輩も大半は他部隊であったり他職種に移ったりでなかなか出会うことは少なくなっている。
以前はよく声をかけて来たのだけど・・・・・。
だんだん寂しくなるね。
時代の移り変わりで戦車部隊も大きく変化し、機甲科も戦車と偵察だけじゃなくなった。
機動戦闘車や水陸両用車も機甲科だからね。
第七師団の戦車射撃競技会も以前は普通科のFVの射撃もやっていたけれど今はやっていないようだし・・・・。
戦車射撃場を今年はかなり整備して「躍進路」が無くなって景観が変わってしまった。
戦車射撃競技会は来年は観に行きたいものだが・・・・・。