中国軍艦が日本近海を堂々と航行できる根因 | 戦車のブログ

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ジャーナリストの安積 明子さんの日本列島の海峡には「大きな穴」があいているという記事です。

 

以下東洋経済より転載

 

 

 

散発的にしか報道されないが、中国艦船が年明けに入って日本近海で不穏な動きを見せている。日本の安全保障にかかわる重要な問題であり、これには注視が必要だ。

 

 

今年1月10日、中国海軍のジャンカイⅡ級フリゲート2隻とフチ級補給艦が対馬海峡を南下したことが海上自衛隊によって確認された。

 

 

これら3隻は昨年10月20日、大隅海峡を東航し、今年1月5日には津軽海峡を西航していたことが明らかになっている。

 

まさに中国艦船がぐるりと日本の近海を巡っていたことになる。

 

 

何度も日本列島周辺を航行

 
 

こうした動きは、今になって始まったことではない。

 

 

2015年12月~2016年2月にかけて、中国海軍のルフ級駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート1隻とフチ級補給艦1隻が大隅海峡を東航したうえ、ドンディアオ級情報収集艦1隻も加わって対馬海峡を北上。

 

 

その後、再度大隅海峡を西航し、種子島沖を進行したことが明らかになっている。

 

 

ドンディアオ級情報収集艦は房総沖で往復航行していたことも確認済みだ。

 

 

中国の不穏な行動に対して2016年の防衛白書は、「中国は東シナ海や南シナ海をはじめとする海空域などにおいて活動を急速に拡大・活発化させている。特に、海洋における利害が対立する問題をめぐって、力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的ともいえる対応を継続させ、その既成事実化を着実に進めるなど、自らの一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢を示している」として強い懸念を示している。

 

 

年々エスカレートするこうした行為に何ら対処する術はないのだろうか。

 

津 軽 海 峡

 

 

「日本の領海に穴があいているような状態を放置すべきではない」――。

 

民進党の緒方林太郎衆院議員は「領海及び接続水域に関する法律(以下領海法)」に規定されている「特定海峡」の制度を見直すべきだと主張する。

 

宗 谷 海 峡

 

 

 

「特定海峡」とは国際航行に使用されている宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道および大隅海峡の5つを指す。

 

 

宗谷海峡はロシア、対馬海峡西水道は韓国と向かい合うが、それ以外の3海峡は日本の領土に囲まれている。

 

対馬海峡東水道 及び 西水道

 

 

 

 

いわば日本にとって「内側」の存在といえる。

 

 

しかし、これらの海幅は通常なら12カイリのところを3カイリに狭めているため、「公海」となる海域は外国艦船が自由に通行できる。

 

 

ではなぜ、領海法によってこれら5つの海峡は「特定海峡」に指定されたのか。

 

大 隅 海 峡

 

なぜ特定海峡に指定したのか?

 
 

そもそも1977年に領海法を制定したのは、それまで3カイリとされた領海の幅を12カイリとする主張が国際的に優勢になったため。

 

 

ところが国連海洋法条約を批准するにあたり、国際海峡における通過通航制度の内容がはっきり定まっていなかったため、日本政府は当時から、「特定海峡」での領海を3カイリにすることで通航の自由を保障すべきという説明を繰り返し主張していた。

 

 

そのスタンスは今も変わらない。

 

 

緒方氏が2015年2月13日に出した質問主意書に対して、政府は「海洋国家および先進工業国として、国際交通の要衝たる海峡における商船、大型タンカー等の自由な航行を保障することが総合的国益の観点から不可欠であることを踏まえたもの」と説明している。

 

 

 

しかし、商船、大型タンカー等の自由な航行を保障することが狙いであれば、何も公海(特定海峡)とする必要はない。

 

 

領海内で認められる無害通航権でも十分だ。

 

 

にもかかわらず、なぜ「特定海峡」を設置したのだろうか。

 

 

実はここには“別の理由”があった。

 

 

領海法について審議された1977年3月18日の衆院予算委員会で、公明党の近江巳記夫衆院議員がこれについてすでに言及している。

 

 

 

「非核3原則」という事情があった

 
 

「これを再び明らかにしたのが、1987年~1989年まで外務事務次官を務めた故・村田良平氏。民主党政権時に岡田克也外相が核密約問題に取り組んでいた時、村田氏は核を搭載した米国艦船が5海峡を航行しても非核3原則で禁止される『持ち込み』に反しないように、政府があえて領海の幅を狭めたと証言した」

 

 

このように話す民進党の長島昭久衆院議員は、野田第3次改造内閣で防衛副大臣を務めた安全保障の専門家だ。

 

 

そもそも核の搭載艦が領海を通過することが非核3原則の「持ち込み」に該当するという政府の見解に疑問を持つ長島氏は、「それよりも、今ある危機を考えるべき。2000年5月に中国海軍のヤンビン級砕氷艦兼情報収集艦1隻が津軽海峡を1往復半したが、これを通常の通航権の行使といえるのか。情報収集をしていたのではないか」と危機感を募らせる。

 

 

 

 

すでに領海法制定から40年が過ぎ、日本をとりまく環境も激変した。

 

 

中国艦船が近年、何隻も日本近海へ進出しているのはその結果だ。

 

 

それでもなお、「特定海峡」を海幅3カイリのままにしておくことのメリット・デメリットを真剣に考えるべきだろう。

 

 

だが政府の腰は重く、菅義偉官房長官は1月13日の会見で「見直すつもりはない」と述べるにとどまっている。

 

 

「それでは中国につけ込まれるだけ」というのが前述の緒方氏の主張だ。

 

 

「これまで日本は『特定海峡』の間に公海を作ることで、問題から逃げていた。

 

 

もっとも国際海峡について各国の実行の積み重ねがなく、不安定な部分もある。

 

 

だからこそ、日本は正面から国際海峡制度に向き合い、制度整備を主導すべきだと思う」

 

 

1月20日に始動するトランプ政権は、極東におけるアメリカの安全保障政策を大きく替える可能性がある。

 

 

その一方で極東における中国の比重は高まり、その脅威はますます増大していくだろう。

 

 

中国にとって太平洋に通じる重要な航路であり強い反発が予想される。

 

 

しかし、特定海峡見直しの議論は避けるべきではないだろう。

 

 

(東洋経済)

 

こういう日本を防衛するのに「穴」がたくさんある。

 

穴だらけと言っていい。

 

そして防衛問題だけでなく、他国の直接侵略だけでなく間接侵略も含めた法整備が進まないもどかしさを感じる。

 

例えば支那人は日本の土地購入ができるのに日本人は支那では土地の購入ができないのに、不公平な状態で日本の土地をどんどん支那人に買わられていることだ。

 

これは危険な状態なのに何にもしない。

 

軍事面ではいつまで経っても「交戦規定」は制定されない。

 

支那は日本を研究してこういう真似をどんどんやってくる。

 

まずは憲法第九条の改憲をしなければ日本は危ういことを国民は知らなければいけない。