稲田朋美防衛相「手の内はさらせない」 駆け付け警護の基準は「秘中の秘」だった… | 戦車のブログ

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自衛隊の武器の使用の根拠こそが知られてはならない「手の内」なのだろう。

 

 

武器を持っても使用できない、それが自衛隊だ。

 

以下産経ニュースより転載

 

 

 

 

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の陸上自衛隊部隊に「駆け付け警護」任務が付与されれば、非政府組織(NGO)職員を取り囲む暴徒を排除するために小銃などを使うことは可能となる。

 

 

従来は禁じられていた任務遂行型の武器使用が安全保障関連法で認められることに伴う措置で、危険度は増すことも予想される。

 

 

しかも現地の治安は不安定な状態が続いており、陸自は隊員の安全確保に神経をとがらせている。

 

 

 

 

見せられぬ手の内とは?

 

 

 「手の内にかかわることについては公開すべきではないと思う」

 

 

 稲田朋美防衛相は23日の視察後、訓練を非公開とした理由を記者団に語った。

 

 

これまでのPKOでは、隊員自身や活動をともにするするNGO職員らを守るための「自己保存型」の武器使用しか認められていなかった。

 

 

23日の訓練は、新たな任務遂行型の武器使用の手続きを確認するのが目的だ。

 

 

 「武器使用」といっても、ただちに発砲を意味するわけではなく、法的には銃口を相手に向ける行為や威嚇射撃も「武器の使用」に含まれる。 

 

 

 駆け付け警護では、最初は武器を使用せず、暴徒を説得したり、機動隊が使うような盾で暴徒を押し出したりするような対応が想定される。

 

 

それでも状況が打開できない場合、指揮官が武器の使用を行うかどうかを判断する。

 

 

 「どのタイミングで武器を使用するかは各国でそれぞれ違う。すぐに撃ってしまう国もあるが、自衛隊はかなり慎重だ」

 

 

 ある陸自関係者はこう話す。

 

23日の訓練が非公開となったのも、「ここまでやっても自衛隊は撃ってこない」という基準が知られては、今後の活動に支障が出る恐れがあるからだ。

 

 

 

よみがえる苦い経験

 

 

 安保関連法で駆け付け警護と宿営地の共同防護を可能にした背景には、これまでの苦い経験がある。

 

 

 平成14年、陸自PKO部隊が派遣されていた東ティモールの首都ディリで日本料理店が群衆に包囲され、陸自部隊に救助を求める連絡が入った。

 

 

ところが当時は救助の法的根拠がなく、近くにいた休暇中の隊員を迎えに行くという名目で日本料理店の店員らを助け出したという。

 

 

 また、イスラエルとシリア国境のゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)などに参加した自衛隊部隊は、参加各国による宿営地防護のための共同訓練に加われなかった。

 

 

防衛省幹部は「自衛隊だけ別の場所で訓練が終わるのを待ち、肩身の狭い思いをした」と話す。

 

 

 ただ、ある自衛隊幹部は「駆け付け警護を行うようなことはほとんどないのではないか」と語る。

 

 

 

 NGO職員ら文民が暴徒に取り囲まれた場合、対応するのは一義的には現地政府の治安機関であり、PKOに歩兵部隊を派遣している参加国軍だ。

 

 

 

陸自が派遣しているのは道路や橋を建設する施設部隊。

 

 

陸自部隊が駆け付け警護を行うのは、治安機関や各国歩兵部隊が遠くにいて対応できない場合などに限られる。

 

 

 しかも、現地に日本人の文民がいれば緊急時に自衛隊に連絡する可能性が高いが、南スーダンに派遣されていた国際協力機構(JICA)の職員は7月に国外退避したままだ。

 

 

 

危険な場所だからこそ

 

 

 ただ、南スーダンでは今年7月に政府軍と反政府勢力が衝突し、約270人が死亡した。

 

 

治安情勢は不安定化しており、陸自部隊が駆け付け警護を要請される事態はあり得る。

 

 

 反政府勢力トップのマシャール前第1副大統領が国外に逃亡していることもあり、日本政府は現地の状況が停戦合意の崩壊などPKO参加5原則に抵触する事態にはいたっていないとの立場だ。

 

 

稲田氏は今月8日、陸自部隊が活動する首都ジュバを視察。「ジュバ市内は比較的落ち着いている」と繰り返している。

 

 

 しかし、国連南スーダン派遣団(UNMISS)は12日、現地の治安状況について「非常に懸念している」との声明を発表した。

 

 

 安倍晋三首相が「危険な場所だからこそ自衛隊が現地でPKO活動を行っている」と強調するように、陸自部隊の活動は危険と隣り合わせだ。

 

 

治安を守るための監視・巡回活動は任務に含まれず、活動地域もジュバ周辺に限定される。

 

 

 それでもなお、来月20日に南スーダンに派遣される第11次隊の中心となる陸自第5普通科連隊には重い責任がのしかかる。

 

 

軽率な武器使用は許されないし、武器使用に慎重になりすぎれば部隊全体に危険が及びかねない。(杉本康士)

 

 

(産経ニュース)

 

交戦規定の早期制定を心から望む。

 

 

それなくして戦闘で「銃撃っていいの?」なんてこと笑えない。