☆Tanjerin's BAR☆ -79ページ目

Sympathy.~共鳴~  【part.2】

りぴですみかん


今日は、前回の続きのお話。



Part.1をまだご覧になっていない方はこちらからどうぞ。

→ Sympathy.~共鳴~  【part.1】

















一雨ずつ寒さを増していく秋の夜。








俺は、防波堤の近くにある駐車場に車を止めた。



すでに何台か止まっていた。どれもカップルばかりのようだ。















ドアを開けると、車中に冷たい空気が入り込む。






風に乗って届く潮の香り。




防波堤に打ちつく、波の音。




遠くのほうで、聞こえる船の汽笛。










雑踏を忘れさせてくれる、この場所が好きだ。











彼女は、車を降りるやいなや


「さむいー!!」


と、言いながら俺の腕にしがみついてくる。





まぁ、いつものことだ。












コンクリートで出来た防波堤の上を歩く。



彼女は耳に手をやっては、ハァーっと白い息で小さな手を温めてる。







俺はポケットに入れていた手を出し、


何も言わずに彼女の左手を俺のポケットに入れた。









すると、彼女がこちらを振り返り、ギュッと握り返してきた。












だから、俺の顔をニヤニヤしながら見るなって。



俺までにやけてしまいそうなのでいつも見ないことにしてる。
















ちょうど風よけになるいつもの場所に着くと、


俺たちは、寄り添うように座った。








彼女は、昨日あった出来事や、美味しいお店の話、


観たい映画の話やらいろいろと話かけてくる。









俺は、わかっていながらも、



「そうだな」



と、一辺倒な返事ばかりをしてしまう。









次第に彼女が膨れ顔になっていくのが見えた。












ごめんな・・・。











そう心の中で呟くと、



俺は、繋がっていた手を解き、そのまま彼女の肩を優しく抱き寄せた。












言葉はいらない。













二人とも黙ってお互いの鼓動を感じていた。






互いの鼓動がシンクロする瞬間、






独りで悩んでいたことを忘れさせてくれる。

















それを知ってか、いつも彼女は黙って身を預けてくる。


俺のダウンジャケットの中に潜り込み、


定位置を見つけると幸せそうな顔をする。








だから、こっち見るなって。(照)














そんな彼女の瞳に映る月の光が、俺の心を優しく照らしてくれるような気がした。



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車の外を見ながら、ガラス越しに俺の様子を見てたんだなって今頃気付く、りぴなのでしたみかん