土踏まずへの知覚力を高める方向で母指球と小指球に加えてそれらのラインについて触れました。
これらを意識するだけで接地する感じがつかめた人もいるでしょう。
もしかしたら結果的に姿勢が良くなったかもしれません。
足の前側となるこの部分は微妙な操作にも関与していると考えられます。
母指球に体重がのりすぎれば内股になりやすいでしょう。小指球によればガニ股傾向かと思います。
ということで脚部の傾きにも影響しそうです。
もちろん母指球の比重は高いものですがちょうど良いバランスを模索したいものです。
さて今回は後ろ側について意識してみましょう。
その位置は全体的に踵と認識されているでしょう。
ここへの働きかけをしてみます。
といってもそれなりにエリアが広い部分です。
なのでまずはその最も後方を刺激するのが分かりやすいかと推測します。
できるだけ体重を後ろに乗せるわけです。
このためのシンプルな方法は踵立ちです。
爪先立ちの反対のイメージで踵だけで立ちます。
普通に立っている状態から爪先を持ち上げていきます。
バランスを崩さないようにゆっくり進めていきましょう。
できれば踵以外が床につかないところまでいきたいものです。
うまくいけば踵の後ろ3分の1だけが接地しているくらいまでできるかもしれません。
腹筋や背筋などで姿勢を支えられればそれだけ限界までチャレンジできます。
ただ当然ながらどこまでいけるかが目的ではありません。
無理のない範囲で行いましょう。
数分維持できるくらいが目安です。
しかしそもそもそれが難しい人もいると考えられます。
その場合はもう少し簡単な方法をとりたいところです。
大きくは変わりませんが壁を使うのです。
壁面に寄っ掛かりながら踵立ちをします。
この時の注意点はなるべく壁に体重を預けないことです。
あくまでそれは補助的なものととらえます。
できれば肩や肩甲骨上部と後頭部のみがくっつく形です。
つまり背骨が丸まらないことが大切です。
体が真っ直ぐのまま壁に倒れかかった状態です。
どちらの方法であれその体勢で踵をしっかり感じようとします。
例えば最も体重を支えている点を探し出したりしましょう。
もしくは踵の接地している部分とそうでない部分を切り分けてイメージしてみるのも良いと思います。
踵で体重を受け止める感覚がつかめれば理想的です。
谷 孝祐
2018.10.28