ここしばらくは赤道直下の国での滞在です。
しかし暑くはありませんでした。
むしろ朝晩は寒さを感じるくらいだったと言えるかもしれません。
なので不思議な感じも受けました。
日差しの強さと空気感が一致しない印象でした。
それは知覚しにくいレベルでの感覚への刺激になったのでしょうか。
何となく体感覚が変わった気がします。
きっと固定化されていたイメージが崩れたのでしょう。
緯度と気候の関係は思った以上に直接的なものではない気がしてきました。
それが感性にも変化をもたらした雰囲気です。
気候の理由は標高の高さにあります。
アンデスの高地で都市が3000m弱のところにあったりします。
そして観光に行く自然はもっと高いところだったりもします。
そんな場所で数日過ごしてから山をおりました。
これはさらに今までにない体験となりました。
そういったエリアから一気に低地への移動となったのです。
具体的には標高4000m強の国立公園から平地に移動しました。
富士山の頂上よりも高いところから延々と下り坂を車で走ったのです。
おそらく2時間くらいのことだったでしょう。
ということで標高差による空気の違いを体感したのでした。
基本的には気圧と酸素濃度の問題だと思います。
次第に体が活性化していくかのような認識がありました。
半ば休眠気味だった細胞一つ一つが動き出すかのようでした。
まるで過度にエネルギーが供給され始めたかのようでした。
それらが個別に振動し始めて微妙に痺れるかのような感覚だったのです。
ある意味において何かのトレーニングにもなりそうです。
きっと環境への適応力向上に役立つことでしょう。
そう思うくらいの強い体感がありました。
ということで景色の変化も興味深いところでした。
植生が目まぐるしく変わっていくのです。
低い草しかないところから始まってバナナのプランテーションに行き着くという具合です。
こんなに濃密な視覚的刺激も初めてで途中に20分ほど雲の中も通過しました。
世界はまだまだ広いと感じたのでした。
より先入観を持たない状態を目指そうと思いました。
谷 孝祐
2017.9.5 4:29