珍しく目にとまるニュースがありました。
定期的に重要な話題はあるものです。
ここ最近はAIや仮想通貨はトレンドなのかもしれません。
ヨーロッパやISなど世界情勢も見逃せないかもしれません。
ただそれらは目は通すものの個人的にそこまで興味がひかれるものでもありません。
歴史の流れという意味では意義を感じるもののなぜかボヤけた印象があるのです。
もしかしたら適正な情報ではないのかもしれません。
一方で今回目にとまった記事は比較したらちっぽけなものです。
所詮は趣味の世界というところでしょうか。
ただそれも時代の一端を表しているのかもしれません。
ソニーがレコードの生産を29年ぶりに再会するというのです。
どうやらこの8年で国内生産枚数が約8倍になっているとのことです。
身近ではない話題ですがこれにどこか嬉しさを感じたのでした。
しかしすでにターンテーブルも手放してしまって直接的には関係ありません。
つまりレコードを聴ける環境にはないわけです。
なのですぐに自分にとって何らかの意味があるわけでもないでしょう。
それでもどこか自分ごとのような気分があったのでした。
これは何だかおかしいと感じてその理由を探ってみることにしました。
その恩恵が享受できる状況にないのに何に嬉しさを感じたのかというところです。
そして意識を向けると簡単に答えをとらえることができました。
失われた良さが改めて認められ出しているということへの嬉しさでした。
場所も手間もかかるレコードは便利さ至上主義からは対極の存在かもしれません。
余裕がないければ楽しめないものとも言えそうです。
とはいえそれにしかない良さというものがあるものです。
それはデジタルにはない自然さと歪みという人間味のようなものかもしれません。
そういった価値が再認識されていることが世の明るさを感じるわけです。
いささかルネサンスの投影のようなものかもしれません。
そうはいってもこれが今後のメインストリームになることはないでしょう。
ただ心の豊かさに働きかけるツールが残る意義は大きい思います。
少なくとも多様な選択肢が維持されることは重要でしょう。
こんなことを考えていて音の世界の奥深さを再確認したのでした。
谷 孝祐
2017.6.30 16:45