半年くらい前のことだったでしょうか。
この春のイベントのお誘いを受けました。
それは日本オーベルジュ協会というところのものでした。
すでに今年の年間予定は決まっていたもののなぜかその日は空いていたのでした。
なので二つ返事で参加を決めました。
そんなわけで特に内容もわかっていませんでした。
何となく聞いていたもののイメージできていなかったというのが正確かもしれません。
流れに身を任せたような感じだったわけです。
そしてその当日がやってきました。
「第4回オーベルジュの日」という名称であることを知りました。
協会で開催するものなので会員のオーベルジュスタッフもそれなりに来ているようでした。
参加したのはそのパーティの部分でした。
ここに一般のお客さんも招かれたようでした。
どうやらその前には総会が行われたようでした。
ということで普段とは違う雰囲気の中に身を置くことになったのでした。
それなりの長さの挨拶が数名あったあと乾杯し歓談という流れでした。
そのあとにクラシカルなエッセンスのフレンチがブッフェ台に並びました。
このスタイルだと乳と卵がNGな自分にとって食べられないものも多いものです。
ただ昔だったら嬉しかっただろうという内容でした。
イノシシの丸焼きがメインでした。
どことなくそんな光景だけで満腹気味になった印象でした。
費用は抑え目なのでワインも期待できません。
結局のところ楽しみのポイントは外れてしまっている様子でした。
そんなこともありなぜここに自分が佇んでいるのかということに意識が向きました。
少なくとも違う世界を垣間見るという意味はあるでしょう。
半分以上は飲食の関係者なわけです。
ちなみに隣の人は富士山の麓で豚を育てているとのことでした。
どことなく提供側の輪に入れてもらったというところでしょう。
振り返ればこの感覚の違いには面白さがあったと思います。
おそらくちょこっとだけその世界の集合意識への帰属が起きたのかもしれません。
かすかに食に対する視点の変化が感じられたのでした。
これによって今までとは異なる楽しみが生まれる予感がします。
以前からこの業界の関係者かと何度となく尋ねられてきましたがそこに片足突っ込む体験になったのでした。
谷 孝祐
2017.4.12 23:22