今生の印象的な体験53 | 3年前のしこうの楽しみ

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中学に入って初めての夏休みが始まった時のことです。
生活の全てが部活に移行しました。
力の入っている部活はどこもそんなものなのでしょう。

ただそれを象徴するように音楽室も夏仕様に模様替えがありました。
体育館にしまってあった絨毯を引っ張り出してきて床に敷き詰めたのです。
そして常設の合奏場のようになりました。

もちろん上履きを脱いでの入室でした。
これはより音が響きにくくするためのものでした。
反響しにくくなることで各楽器の音が聞こえやすくなります。

この状況は結果的にアラを目立たせてくれます。
つまり音程があっていないところやミスがわかりやすくなるわけです。
重箱に隅をつつくような練習には向いているわけです。

それだけでなく音量も小さくなったような気になります。
ごまかしがききにくくなるので下手になった感じもしたでしょう。
簡単に言うなら少しでもホールのステージに近い環境にしようということだったのだと思います。

練習効果もさることながら本番でひるまないようにする方法だったのかもしれません。
ただその変わり映えは印象的でした。
今思えば公立中学校の域をこえていたと振り返ります。

当然のように簡易的な雛壇も設置されステージのようになったわけです。
また各楽器が練習する教室も同じような扱いになりました。
日頃は借りている場所が専用の部屋に様変わりしたわけです。

言うならば校舎の大半が吹奏楽部仕様で固定されたようなものでした。
今さらながら少し異常なようにも思います。
そのくらい学校内での存在感があったからこそできたことでしょう。

それとともに恵まれた環境はマインドセットにも影響があったと推測します。
自然と練習への本気度や集中度も高まったことでしょう。
暗に伝えられる特別待遇は認識していないものの部員の肯定感に影響を与えていた気もします。

このように思い出すと随分受け取っているものがあったのだと認識します。
やればできるという前提がこの時期に定着したと考えます。
少なくとも簡単に諦めない習慣が身についたことは確実でしょう。

やはりどのような環境に身を置くかは重要なのだと改めて感じたのでした。

谷 孝祐
2016.7.15 18:25