ボールペンの一人旅 | 3年前のしこうの楽しみ

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宮古島からの帰りのことでした。
那覇空港で乗り継ぎに時間があり、ラウンジでしばらく待っていました。
その間、仕事の調べ物をいくつかしていました。

情報の処理量が多くなってきたので終盤は珍しくメモを取ったりもしていました。
そんなわけで待ち時間はあっという間に過ぎ、気づけば搭乗時間ぎりぎりになってしまいました。
そのため急いで片付けて搭乗口に向かいました。

しかし、後になってその時に使っていたボールペンが見当たりませんでした。
鞄の中を一通り探しても見つかりません。
どうやらなくしてしまったようでした。

ラウンジで鞄に入れようとしたところまでは記憶にあるのですが、実際に入れたかどうかは覚えていませんでした。
こういうことは初めてだったので、手放すタイミングだったのかとも思いました。
ただ、あれこれ探した上で割と気に入って買ったもので使い勝手のとても良いものでした。

たかだかボールペンですが、限定品で同じものは買えない可能性が高い状況でした。
そんな背景があり、手間だけど問い合わせてみることにしました。
置いてきたとすればラウンジしかありません。

そこになければ諦めようと考えたわけです。
電話をかけてみると、忘れ物は案外多いのか、とても慣れた雰囲気の対応でした。
そして、そこにあることがすぐに分かりました。

「お送りするのでよろしいですか?」と尋ねられて「はい」と反射的に答えたものの、とっさに他の方法があるのかも聞いてみようと思いました。
質問すると、最寄りの空港で受け取る方法があるらしく、これだと送料がかからないとのことでした。
翌日に羽田空港に戻るので、その時に受付カウンターでピックアップすることにしました。

そのための受け取り番号を聞いて電話を終えました。
遺失物に対して随分丁寧な仕組みが作られているものだと感心しました。
忘れ物がちゃんと手元に戻ってくる日本の素晴らしさに触れた気分になりました。

次の日に沖縄から一人旅で帰ってきたボールペンを羽田で受け取りました。
あんなに大勢が行き交う空港なのにスムーズな対応だったのは驚きでした。
航空会社のオペレーションの異常とも言えるほどに正確性をいつも以上に実感したのでした。

簡単に手放すと決めこまなかったことで生まれた体験だったので、安易な判断よりも可能な限りの対応をしておくことは重要だと思いました。
ちっぽけなありきたりの事象かもしれませんが、個人的にはなんだか心温まる刺激となったのでした。

谷 孝祐
2015.12.12 17:55