過酷な旅をへた効果なのでしょうか。
それともダメージなのでしょうか。
まだまだどちらなのか判断できませんが、食べることに対する自分自身の反応が完全に変わっているように思います。
以前からその傾向はありましたが、お腹がすくという主観的実感が生まれなくなってしまったようです。
といっても体調が悪いというわけではありません。
そもそも食べたいという欲求がなくなってしまったような感覚です。
もし食べられない環境に身を置いているのであれば、食べられないということが意識にのぼらないまま自然に受けいれてしまう状態です。
だからといって日々何も食べないというわけではないので、実際に欲求がなくなったかどうかはわかりません。
食べたくなるまで待ってみたら、例えば3日に一回くらいは食べたくなるのかもしれないということです。
そして、もちろん食べる時は何が食べたいかと考えることもあります。
ただ、その時も以前とは違う感覚があります。
どこか遠くで考えている印象なのです。
他人事というほどでもなく自分事というほどでもなく、客観的に自分の状態をとらえて判断しようとしているのでもなく、かといって無関心というわけでもなく、少し遠くにある答えを拾ってくるようなイメージなのかもしれません。
これはなかなか面白い感覚だと思います。
また、ちゃんと食べられないというわけでもなく、コースでも出されてしまえば食べられるのです。
あえて選択しようとしないというだけです。
食べることに対する心理的欲求がなくなったのでしょうか。
もしそうであるなら食欲というものは肉体に帰属する要素よりも心理状態から出てきている性質のものなのかもしれないと思います。
そう考えると、欲求というものに対して自分が持っているイメージが案外間違っているのかもしれないと推測されたのでした。
谷孝祐
2014.10.20 23:36