別次元のディナー | 3年前のしこうの楽しみ

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ディナーセミナーが終わりました。
今回はコンセプトを変えて、費用にとらわれない至福を作り出そうというようなイメージでのスタートでした。
具体的には、料理やワインを含めた総合的なクオリティを前回までの倍にして、できる限り参加費は抑えるという意図でした。

実際にこの会場ではお願いしたことのないクオリティだったので、今までからの信頼感はあるものの、未知の領域のように感じていました。
もちろん何を出すのかは打ち合わせしていたので知ってはいましたが、それがどのように出てくるのか最終的な状態は楽しみでもありました。
おそらく料理長もここまでの予算でメニューを構成する機会はほとんどないのではないかと推測されます。

一品一品から伝わるいい意味での力の入りようが、今までとは別格なようでした。
微に入り細に入り、気が行き届いている印象です。
気づきにくい見えないところまでの手間のかけようが半端ではなかったように思います。

それは例えば付け合わせの野菜の微かな味つけなどによくあらわれていました。
それが全てにおいて一貫していたのには感服でした。
至福の時を作り出す上で必須である、この時だけのためにという要素が見事に内在しているコースでした。

そんなわけで全部食べられるかという心配も全く関係なくなり、一品目から満腹感がありつつも最後まで食べきることができました。
体は素直なものだと思います。
そして、今回の料理に対して全体的に感じたことが、グラウンディング感の違いでした。

気が行き届いているからなのか、しっかり地に足のついた今あるこの場に意識を向けさせられるという感じがしました。
それが参加者と空間にも影響を与えるのか、リラックスしつつも意識がその場から逸脱することがない時間が紡がれていたように思います。
つまり、自然と向き合い味わってしまうような料理とワインの組み合わせだったということです。

ここまでの文句無しの完璧性は滅多に体験ができるものではなく、それに感動したのでした。
こんな機会を重ねていけることこそ、本物の至福だと思いました。

谷孝祐
2014.10.18 17:22