実は、今年の2月あたりからのんびりと出版の準備を進めています。
一応、商業出版ではあるものの部数を狙うためのものではないので、マイペースで余裕をもってやっている感じです。
大手出版社ではないので、おそらく通常の1.5倍くらいの期間でスケジュールを組んでもらえているようです。
そんなわけで、先日初校があがってきました。
提出した原稿に編集と校正が入って戻ってきたわけです。
そのチェックをしました。
読み返してみて修正を加えていきます。
編集も校正も入っていない部分でも修正点が出てくるのは面白いところです。
同じ自分の原稿といっても、書き手の立場と読み手の立場では見え方が変わってくるということを実感します。
この作業をしながら実は本作りが好きなような気分になってきました。
以前は大変だから絶対にやりたくないことだったのですが、そうでもないようです。
確かに相当大変ですが、面白味も感じられます。
やりたくなかったのは、良いものを作ろうと思ったらとんでもない労力がいるということを無意識に知っていたからでしょう。
そしてその労力に勝るメリットが見出せていなかったのでしょう。
今回も乗り気でもなく消極的でもなく主体的に取り組んでいる感じです。
でもやってみることで分かる楽しみというものがあることを再認識しました。
対象と少し距離があるその感じが楽しみながらできるポイントなのかもしれません。
とはいえ、売れるかどうかにかかわらず、できる限り良い本にはしたいものです。
それは必要な人にとっては価値のあるものにしたいという意味でもあります。
もちろん売れたら嬉しいとは推測できますが、それ以上にベストを尽くした満足いくものを作ることが自分にとっては重要です。
この初校を見ていて感じたのは、思っていた以上に自分で手を加える必要があるということでした。
編集者や校正者任せでもうまくいきにくいということです。
本を作るのは長い道のりだと感じつつ、良書が出にくい理由の一端がかいまみえたのでした。
谷孝祐
2014.7.18 15:31