先日、2回目のディナーセミナーが行われました。
パークハイアット東京の夜景が一望できるバンケットルームで、 導入としての話をした後に、特別に準備したディナーをいただく会です。
今回は、このような至福の体験を積み重ねることの意義がテーマでした。
どんな体験でも同じように、至福の体験も回を重ねるごとに自分の中での新奇性や驚き、非日常感が減っていくものです。
しかし、それでも至福の体験を積み重ねることで、自分自身が豊かであるという証明を潜在意識に届けることになります。
そして、潜在意識が自分は豊かであるという認識を持つと、それが現実を豊かな方向へ動かす力となるのです。
こんな話をしたのち、ディナーコースが始まりました。
乾杯に、ドンペリニョン2004でした。
ドンペリニョンの中でも特に出来の良かった年ということで、 定番ながら今回提供することになり、続く前菜にもピッタリのシャンパンでした。
その前菜ですが、北海ボタン海老のタルタルとアボカドが層になっている上にオシェトラキャビア、 それを優しく守るようなイメージでアンディーブとソルトリーフの葉物が飾られているものでした。
新鮮な海老の甘みをアボカドが包み込み、そこにキャビアの上品な塩気がアクセントを加え、 2つの野菜のみずみずしさとサクサクした食感が全体の印象を引き締めている印象でした。
一口ごとに味わいのバランスが変わり、その変化も楽しみつつ、 使っている食材の割にはアッサリとしたコースのスタートにふさわしいものでした。
続くスープが、松茸のコンソメスープのパイ包み焼きで、 スープ皿を覆うパイをサクサクと崩すと松茸の芳醇な香りとそれを後押しするチキンのダブルコンソメの香りが一気に迫ってくるようでした。
この二者の共演は味の上でも二人羽織のように絶妙なハーモニーとなっていました。
そして、お魚料理は、 九州産甘鯛の松笠焼きに天カブのソース・軽いアクセントにプロヴァンサルバージンオリーブオイルというものでした。
見るからに松笠のイメージの皮の焼き目のサクサク感とジューシーかつ繊細な甘鯛の身の味わいが口の中で立体的に広がり、 それをソースがしっかり一つのものとしてまとめてくれているようでした。
それに合わせて、デュモル・シャルドネ2009という白ワインをいただきました。
シャルドネの特徴をデフォルメして広げたような味わいが、 料理の立体感と協調して全体の印象をクリアにしているようでした。
メインに、島根産黒毛和牛背肉のローストにソースとして九条葱のジュ、 付け合わせに万願寺唐辛子と栗・オクラ・牛蒡が添えられているものでした。
それぞれ単体でも美味しいものですが、 付け合わせとお肉を一緒に食べた時に新たな味覚の世界を開いてくれるような発見がありました。
特に栗と共に食べると、お肉まで秋の味覚に変容するような面白さがありました。
メインに合わせた赤ワインは、パルメイヤー・メルロー2009でした。
元弁護士のワイン好きが高じて、 カリフォルニア最高のボルドースタイルのワインを作ろうということで始まったワイナリーのワインは、その心意気を感じさせる完成度で、 お肉の付け合わせの一品のようでありつつ全ての味わいを包含するようでもありました。
デザートと小菓子・コーヒーと続き、宴はお開きとなりました。
思い返してもその体験の輝きがくすまない、こんな時間が共有できる機会を定期的に持っていきたいと思いました。
2013.10.14 11:20 谷孝祐