最も厳しかった行程 | 3年前のしこうの楽しみ

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今回の二泊三日の登山が無事終了しました。
最終日は、朝6時すぎにキレット小屋を出発し、まず鹿島槍ヶ岳へ向かう急登でした。

延々崖のようなところを一時間ほど両手も使いながら這い上がった感じです。
夜中に雨が降って、多少滑りやすく、一瞬たりとも気が抜けない状況でした。
今回の全行程の中で、一番の危険箇所だったように思います。

雲の中をあがっていくような感じが幸いし、気温は十度弱で暑くならずに済みました。
そして、山頂近くになると次第に晴れてきて、素晴らしい景色が見えてきました。

今まで歩いてきた山並みも一望でき、写真におさめました。
遠くに見える一番高い山が白馬岳で、随分な距離とアップダウンを歩いてきたものだと思います。

そこから下りに転じ、一時間強で冷池山荘へ。
この辺りから左膝がかなり怪しくなってきました。

二日目の岩登りで、左膝の内側のお皿の脇を、尖った岩にぶつけてしまったのでした。
ぶつけただけなので、一晩経てば良くなるかと思っていたのですが、むしろ悪化したようでした。

どうやら炎症を起こしているようで、一定以上膝をまげると痛みが走るのでした。
冷池山荘からは、今回の最終ピークとなる爺ヶ岳への登りとなり、左膝にできる限り負担がかからないように歩くこととなりました。

爺ヶ岳を越え、標高差200メートルくらいを下り、最後の山荘となる種池山荘で長い休憩となりました。
この山荘から山荘への区間は二時間くらいかかりました。

この下りは、膝がかなり厳しく案外時間がかかりました。
それは最終ゴールまで下りきれるか、自信がもてないほどでした。

それはともかく、種池山荘でひとまず今回の参加者の健闘を称えて、生ビールで乾杯となりました。
山上での生ビールは、ひときは豊かさを感じるものでした。

そこから、一気に標高差1100メートルくらいの下りでした。
正直、左膝がどこまで持つかと懸念がありましたが、下りないという選択肢がないためか、できる限り負担がかからないよう注意したからか、なんとか一時間半で最終ゴールの扇沢に到着しました。
時間は十四時半でした。

やらないという選択肢を設けなければ、体が厳しくても淡々とできるものだということを実感しました。
また、左膝の痛みのおかげで、一歩一歩ちゃんと意識しながら丁寧に下ることができました。
結果的に体の動かし方の効率が上がったように思います。

今までの下りよりも疲労感がありませんでした。
何よりも今回収穫だったのが、登山を楽しいと初めて思えたことでした。
ペースがそこまで変わったわけではありませんが、修行的登山から楽しむ登山へと新たな世界が拓けたように感じました。

2013.8.27 21:24 谷孝祐