世界最低所へ | 3年前のしこうの楽しみ

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ミラノよりヨルダンへ。
空港でレンタカーを借り、走り出しました。
旅程を決める時点であまり考えていなかったのですが、初めての国でいきなり夜に運転するのは今までありませんでした。

しかし、車もそこまで多くなく比較的走りやすいのが救いでした。
一箇所、工事の関係で分かりにくくなっていて、少しロスした以外は順調にホテルに到着。
世界最低所の死海へやってきました。

標高は、マイナス400メートルくらいです。
つまり、通常の海面よりもはるかに低いところです。
もちろん観念的にも不思議な感じがしますが、下っていくにつれて体も暑くなってきました。
ほとんど車のいない中、延々と下っていくので、何となく異次元に入っていくようなそんな感じもしました。
おそらく、物理的にも空気の感じが違うように思います。

暗いながら、ホテルのプライベートビーチである死海のほとりまで行ってみました。
月明かりに照らされ、穏やかながらも異様な雰囲気を醸し出し、あまり長時間いてはいけないような感じがしました。
対岸はパレスチナ自治区で、そちらの灯りが遠くに見え、何とも言えない不思議な刺激をもらったようでした。
戻ると、また体が暑くなりました。

朝になり、再度プライベートビーチに行きました。
夜の顔とはうって変わって、いわゆる写真でよく見る、人が水面に浮いている光景でした。
死海は塩分濃度が30%くらいあり、誰でも浮いてしまうことで有名です。

そんなところへ入ると自分の体がどうなるか分からないので、右手だけをつけてみました。
すこしヌルヌルした感じですが、特に違和感を感じるほどではありませんでした。
ただ、外に出すと明らかに違う、何かが膜になってまとわりついているような感覚がありました。
そして、やはり右手は暑くなりました。

とにかく、死海周辺では何かが活性化するようです。
物理的なものから非物質的なものまで、見えないものの密度が高いのかもしれません。
いろいろなものが流れ込み、抽出されていく感じもありましたが、全てが消えていくような感覚もあり、何とも形容し難い場所であることは確かです。

何のためかはともかく、地球も面白い所を作ったものだと感心します。

2012.10.26 03:32 谷孝祐