しあわせのご縁つなぎ | 全国クリエイター作品の展示と販売 ARCA-方舟-gallery & zakka

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ギャラリーアルカ 常設作家作品通販ページ

 

 
 

昨日、お客様から教えていただいた画家中島健太さんの本「完売画家」、先ほど読了いたしまして、今2回目読んでます。

 
いわゆる商業アートの分野の考え方なのかな、と思うんですが。
画家取り分は3掛け、というのはあまりにも低い掛け率で驚くばかりなのですけど、それはそれとして、ではどうしたら画家として食べていけるかを書いた指南書。
 
画商さんはそれだけ高額な商材を確実に売ってくれるので、画家としてはありがたい存在なのだろうと思います。
 
でも、あまりに油絵のジャンルが、投資目的のように売買されているような印象で、アルカにはなじみません。
 
アルカはアルカとして、ハンドメイド・クラフトジャンルからのアートギャラリーというカテゴリーで経営していますが、アートギャラリーというカテゴリーにはきっと業界全体で見た時、あてはまらないだろうな~と思いました。
 
投資目的の作品は一つもないし、画商さんが扱うほどの高額作品(100万越え)はありません。
 
大きなお金を扱うことはないので、何気に気が楽です(笑)
 
これがアルカの限界かもしれないな、と本を読んでよくわかりました。
 
アートを扱うというのはこういった百貨店とのつながり、高額商品を購入される顧客を紹介できるほどの人脈がなければ成り立たないということなのでしょう。
その為なら、画家に支払う金額が3掛けでもいいじゃないか、という考えなのでしょうか。
 
ある意味、当然の考えかもしれません、それが100万越えの作品であるなら、ですが。
 
私が聞いてたのはほんとに数万の販売価格でも3掛けだったりするので、それはあまりにも低い掛け率ではないかと思うんですよね。
投資目的にもならない、ほんの数万であっても3掛け。
 
なので作家が利益を生むには、薄利多売で数をこなして、どんどん売り込め、という考えには正直げんなりしました。
 
これがアート界の現状かと思うと、アートとは?、ギャラリーとは?など根本的な存在意義を改めて考え直したくなります。
 
また、自分の好きな作品をたくさん製作すればいいかというと当然そうではなく、売れ筋作品をたくさん描くことを暗に推奨されたのでは、ほんとにそれでいいの?と疑問に思ってしまいます。
 
私は特に美人画は好きではないので・・・(笑)
 
主に美人画を買われるお客様は男性が多いのかな~と思いますけど・・。
 
どんなに売れても3掛けなので、完売になって初めて収益が出る、というのはなかなかに難しい世界であることを示唆しています。
 
ただ、この本の中では、自分の頭で考えて、足で行動していくこと、ぶつかりながら失敗しながらでもいいから、自分なりに動くことの大事さを訴えてもいて。
その理不尽なシステムの中で指をくわえてチャンスを待っているんじゃなく、自分でどんどん行動していくことができるのがフリーランスの強みです。
時に嫌われることがあっても、自分なりの正しいこと、信じることを貫くことは、フリーランスという働き方に必要な覚悟かもしれません。
 
 
 
アルカがお取引させていただいている作家さんは、美大で学ばれてから作家活動をされている方も多いですが、単独で活動され一つの所に留まっていない方がほとんど。
また、全く他ジャンルの学校を出られた後、独学で学び、プロとして活躍されている方も多いです。
 
なので、誰に師事したとか、どこそこに所属して、というのがほとんどない。
素人の集団でしょ?と思われるかもしれませんが、1か月分のお店の売り上げと同額ぐらいを2週間の個展でたたき出す作家さんもおられますし、そうでなくても、常設の作家さんは、個展ではきちんとした売り上げを確保されている方ばかりで、人によって様々ですが、地域でファンの方がいらっしゃったり、全国にファンの方がいらっしゃったりと多岐にわたります。
 
作家作品において、売れ筋傾向、というのがあるのかもしれないんですが、私はあまりそういったことを意識したことはありません。
確かに精密画が流行ったり、ヴィクトリアン調が流行ってるとかそういうのはあるんですけどね。動物で言うと猫かな、とか。
そういった時々での流行はありますが、それを追うと、それが廃れた時の代替えがなかなかききません。
 
年間のスケジュールを決める際は、個展と企画展を入れて、個展はある程度決まってますが、企画展の場合は、コンセプトなどを考えてから作家さんを探します。
その探している作業がなかなかに厳しくて、お声をかけさせていただいてもお断りされることも以前は多かったのですが、最近は、掛け率やお支払い日など具体的なことも提示させてもらってお誘いしていますので、ほとんどの作家さんにOKをいただくようになりました。
 
企画展、個展、両方とも掛け率のみで、出展料などはいただいておりません。
いただかなくても、ある程度の収益があれば、なんとかなっていくので、いただいたことはないです。
なるべく作家さんの負担を減らして、作品の展示をお願いしています。
 
売り上げのすべてを作家さんに、ということはできませんが、その代わり、きちんとした卸値と販売価格の感覚を作家さんにはしっかり持ってほしいと願っています。
 
販売価格から、お店におさめる金額を引いたら、自分の手元にいくら残るのか。そこから郵送代など経費がいくらかかるのか。
そういったことをしっかり計算して、卸値を決め、そこから販売価格を考えていく訓練は、どんなジャンルの作家さんにも必要なことと思っています。
 
ハンドメイド作家を始めた頃は、販売に関するご苦労がわからず、どんなに売り上げても、「ああ、こんだけしか残らないのか」という落胆があったのは否めません。
販売に携わるようになって、販売の大変さが身に染みてわかるようになって、ようやく卸値、掛け率、お店の取り分、自分の取り分についての細かな金額的なことが理解できるようになりました。作ってるときは楽しくて、そればっかりになってしまうんですよね。
 
値段を決める時は、引かれても大丈夫という値段をつけることはとても大事なこと、と思っています。
第一線で、長年作家活動をされている方ほど、そういうことをおっしゃいます。
なので、私も安心して、お取り扱いできるんですね。
 
もちろん、販売価格は、周りとのバランス感覚も求められます。
 
ご自分のジャンルで似たような感じのカテゴリーの作家はどれだけの値段をつけているのかというような感覚も大事ですが、わからない場合は、お店と相談しながら決めるというのもアリだと思っています。
 
お客様の様子を知っているのは、現場のお店です。
 
ある程度やっていくとそういったバランス感覚は研ぎ澄まされていくので、安すぎず高すぎない、自分のお客様ならこれぐらいのお値段でも大丈夫かな、というような感覚もわかってくるので自分が欲しい金額と、お客様の出せる金額なども考慮しながらバランスよく値段をつけて欲しいです。
 
値段は、お客様や展示するお店などとの大事なコミュニケーションです。
 
自分だけが良くてもだめだし、お店だけがよくてもダメ、お客様だけが良くてもダメなんです。
 
その3点のバランスを上手にわかって、値段設定していくことは作家さんにとってすごく大事なことで、その為には、やはり自分の作品というのをしっかり理解していくことも大事です。
あまりに高額な値段をつけてもお客様はついてきませんし、あまりに安い金額でも疑って買わないことも多いです。
 
なので、その作品に見合った値段をつけることは本当に大事です。
アルカが目指すところは、そういったバランスを大事にしたいと思っていて、お客様、作家、お店の3点が良く調和していくこと。
丸く収まる、というか。
いろんな考え方があるかもしれないですけど、それぞれが自分のことも、相手のことも想像して考えていくことが大事と思っています。
 
それこそが「しあわせのご縁つなぎ」になると思っていて、アルカの一番大切にしている考えになります。
 
しあわせは、それぞれがそれぞれの立場で納得すること。
 
アルカがそういった「しあわせのご縁つなぎ」の場になることをこれからも目指していきたいと思います。
 
アートやクラフトは、しあわせを運んでくれるものと思っています。
憧れの作品をようやく買えた!という喜びは何にも代えがたいものです。
そんなお客様のお気持ちを無にすることなく、ギャラリーとして作品とお客様をつなげていくことができれば、と思っています。
 
 
 

 

手前、陶作品は、陶芸【me/me】さんの作品。
夏の個展では全国からオーダーがひっきりなしに入りました。