近所の中学校の体育祭からの妄想 | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

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神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

今朝の事です。

通勤途中で、中学校の前を通過します。

正門の前を通過した時、ふと見ると、白い大きな看板が立っていました。

そこには、

「○○中学 2024年度体育祭」

と大きく墨で大きく書いてありました。

ああ、そうか、今日は土曜日で、この中学は今日が運動会なんだな。

その正門の前に、先生と思しき、私と同じくらいの年齢の男性が立っていました。

ああ、先生も運動会だから、張り切っているのかな?と思いましたが、妙にキョロキョロしている感じを受けました。

そのまま気にも留めずに、道を急ぐと、正面の側道を小走りでこっちに向かって走って来る男の子の姿が視界に入りました。遠目でしたが、その子は、その中学校のジャージを着て、リュックサックを背負っているのが分かりました。

 

すれ違う時に、その子の全体像が分かりました。

その子は、大変小柄なのですが、相当ふくよかで、体操着越しにお腹が揺れ動いているのが分かりました。

 

それは良いのですが、その子の表情を見て、びっくりしてしまいました。

 

ものすごい苦虫を嚙み潰したような顔をしているのです。そして、ひどく不貞腐れた感じで、いやいや足を運んでいるのが手に取るように分かるのです。

 

ああ、そうか。この子は運動が苦手で、体育祭に行くのが、心から嫌なんだな、とすぐに察しがつきました。

 

時計を見ると、9時ちょっと前。恐らく、集合時間には遅刻しているはずです。

 

さて、ここからは私の妄想。

 

A君は、運動が大の苦手。4月から晴れて中学生になったけど、兎に角、運動会が嫌で嫌で、その日は学校休むつもりだった。それで昨晩、「お腹が痛いから明日は休む」と訴えたけど、でも、お父さんお母さんには見透かされてしまって、逆に怒られてしまう。でも、嫌なものは嫌。それで収拾がつかなくて、お母さんが学校の先生に電話。先生は、「じゃあ、A君、先生が正門の前で待ってて上げるから来るんだよ!」と説得。そうまでされると、A君も、流石にこれ以上駄々をこねる訳にも行かず、仕方なく渋い顔のまま学校へ向かった。 というわけで、私は、A君を待っている先生と、渋々ながらも先生の元に走って行くA君を目撃したのでした。

なんという師弟愛。

「先生!僕、来ました!」

「おーA君!偉い、偉いぞ!良く来たな!」

「僕、先生がいれば、これからは『体育祭行きたくない』なんて言いません!」

「さすがオレの教え子だ!」

そして、2人はがっちり握手をして、皆が待つ校庭へ歩いて行くのでした。

 

脚本家になれるな、オレ。