いつの間にか甘える事に慣れちゃった | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

メディカルパークの婦人科には、診察室は1番か7番までのブースがあります。つまり、最大で7人のお医者さんが同時に診療に入ら事が可能です。流石に常時7番診察室まで埋まる事は少なくて、普段は、大体、4人から5人で外来を回しています。

 

さて、今日の午後の外来。

外来自体はそんなに混んでいなかったのに、何故か、全然患者さんの数が減らない。はけて行かない。「おかしいな」とは思っていたのですが、それほど気にせず、黙々と外来を続けていました。程なくして、急にレントゲン技師さんが私の所にやって来ました。「どうした?」と聞くと、申し訳なさそうに、「今、卵管造影検査をお願いしたいのですが、今、外来探しても誰も先生方がいらっしゃらないので、院長、お願いします。」と。「あ、そうなの?分かった。直ぐ行くよ。」と答えて、呼び入れてしまっていた患者さんの診察だけ済ませてから、直ぐにレントゲン室に向かいました。

 

歩きながら頭の中を巡らせました。

 

なんで、いつの間にか1人になっちゃってんだ?おかしいな。あ、そうか、FとNが手術に入ってんだな。そりゃ仕方ない。でも、Sがいたはずだけど?あ、彼女はこの時間は胚移植か。仕方ない。Kは?あ、今日Kは午前のみの金曜日だ。いや、でも、Nがいたはずだけどな。あ、さっきNは帝王切開やってたな。そっか、彼女は今日産科だ!って事は、やっぱりオレ、本当に1人じゃん!

ガーンガーンガーン

ヤバい!

外来崩壊するぞ!

そこから、お尻に火が付いたように、恐怖に駆られて必死で外来回しました。

 

でも、1時間もしないうちに、手術を終えたN先生とF先生がヘルプに入ってくれて、更にS先生も戻って来てくれて、どんどんこなしてくれたので、結局は、外来は崩壊せずに終わる事が出来ました。

 

今日の事は、色々と思うところがあります。

 

つい数年前までは、時には私1人だけになっても、動じることなく、手術も外来もたった一人で回していたはず。それがいつの間にかスポイルされて、あんな短時間でも、1人になった瞬間にビビっちまって、この体たらく。いつの間にか、皆に甘える事に慣れてしまった。情けない。歳食った。情けない。数年前の自分が今の自分見たら、呆れるんじゃないかな?情けない。

 

もう一度、ギアを巻きなおして初診に却って頑張らなきゃ。

 

って勝手に反省したって話でした。