「世襲」。
世の中見渡すと、世襲、或いは継承ういうモノが、如何に大変か分かります。
例えば町工場。
例えば老舗の旅館。
例えば診療所。
星野リゾート社長の星野佳路は、様々な事業継承の研究していて、面白いことを言ってます。
事業の責任者が、継承を考える場合、3パターンあるそうです。
① 親族に引き継ぐパターン。
② 親族ではないが、長年の部下に引き継ぐパターン。
③ 親族でも部下でもない、全くの第三者に引き継ぐパターン。
過去の事例を纏めると、このうち、最も上手く可能性が高いのが②で、最も失敗する可能性が高いのが、①なのだそうです。
これは、医療業界に当てはめてみても、とても合点が行くデータです。小さなクリニックでも、大きな病院でも、親子や兄弟が引き継ぐと、大抵運営が上手く行かずに、崩壊します。中には例外もありますが、そうした例を沢山見てきました。
さて、政治家の世襲。
国会議員では、総理大臣はじめ、与党も野党も兎に角、世襲議員が多いことはもう当たり前のことになっています。ドリル小渕も2世だし、麻生太郎とか、河野太郎とか、小泉進次郎とかは、2世どころか3世。安倍晋三も3代目。
国会議員も、秘書を何人も抱えた個人事業主で、ある意味、会社の社長さんだから、雇用を守るために、事務所の継承を考えるのは当然だけども、必ずしも親族でなければいけない理由はないわけで、それでも、ここまで親族間での継承が上手く行くことに驚いてしまいます。医療業界の継承が上手く行かないことを知っているからこそ、尚の事です。
そこで思うは、「国会議員って誰にでも出来ちゃう仕事なんだろう」ということです。
だから、次の世代が、どんなに凡庸でも、継承が上手く行ってしまうのだと思います。
なんか羨ましい。
もちろん、そんなことを許容している国民が凡庸なだけ、と言われてしまえばそれまでだけど。