TRIO検査(着床の窓検査、子宮内膜マイクロバイオーム検査)について | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

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神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

昨日の医局会では、私の講演に先立って、アイジェノミクス・ジャパン社から、TRIO検査についての現況について、学術の情報提供がありました。

 

TRIO検査は、着床障害の患者さんに対して推奨される検査です。

「TRIO」というくらいですから、3つの検査から構成されます。

1つが、「ERA」と呼ばれる子宮内膜受容能の検査。良く、「着床の窓」と呼ばれるものです。

残り2つが、「EMMA&ALICE」と呼ばれるもので、子宮内膜の細菌叢を調べるものです。
 

その中で、面白いデータがあったので、紹介します。

これは、メディカルパーク湘南で行ったERA検査の結果を、2023年以降のデータで集計したものだそうです。検査数は102件。この件数は、国内有数だそうです。そのなかで、着床の窓がずれていなかったか方は64%、ずれがあった方が26%となっていたそうです。

 

着床の窓がずれていることが判明する方は、4分の1程度、という事になります。ずれている方は、もっともっと多いと思っていたので、意外でした。

 

TRIO検査は、厚労省の先進医療Aに登録されている検査です。日本全国、どの不妊クリニックでも体外受精を行っている患者さんは、数回移植をしても着床に至らない場合には、ERA検査を含めたTRIO検査を受ける事をお勧めされることと思います。そこで、こうしたデータも参考になればと思い、上げさせて頂きました。

 

(体外受精やっていない読者の方は、何のことか分からないと思いますが、すみません。)