風の中の昴、草原のペガサス | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

さかのぼること、23年。

2001年の9月11日の夜。

大学病院の給料だけでは食えないので、夜な夜な夜の当直バイトにせいを出す日々。

その日は、鶴見区にあるK産婦人科医院へ。

9時過ぎにテレビを付けると、NHKで「プロジェクトX」という番組をやっていました。

それが伝説の第1回の富士山レーダーの回だったのでした。

プロジェクトリーダーは、気象庁役人の藤原寛人。

彼は、「若き数学者のアメリカ」、「国家の品格」を書いた藤原正彦のお父さん。

そして、藤原寛人は、その後、新田次郎の名前で作家になりました。

 

感動しました。

高山病で、顔がパンパンに浮腫みながらも、富士山山頂で工事を続ける作業員達。

食い入るように見ました。

エンディングで、中島みゆきのテールライトが流れる時には、もう当直室で1人号泣。

最高でした。

 

号泣したまま、10時になって、ニュースが始まりました。

いきなり、中継で、白い高層ビルが映し出されました。

そのビルから、モクモクと煙が立ち上っていました。

「こちらはニューヨークです。今、貿易センタービルで火災が起きています」という、アナウンスが流れました。

ヘリコプターで飛びながらの映像でした。

NHKってアメリカでヘリコプター持ってるのかな?とか思いました。

記者の人は、繰り返し、「現在、火災が発生しています。原因は不明です。」ばかりを大声で連呼していました。

暫く見ていたら、映像の後ろの方に、小さな影がビルに近付いてくるのが見えました。

最初は、ほかにも沢山ヘリコプターが旋回していたので、そのうちの一つかと思いました。

しかし、その陰だけは、直線的に動いていたので、目線が自然にそこに行きました。

次の瞬間、その物体が、ビルに激突して、爆発しました。

「あーーーっ!」

NHKの記者が叫びました。

 

これが、私のプロジェクトXの記憶です。

そのプロジェクトXが帰って来ました。

皆様、見ていますか?

私も大事にビデオに撮ってあります。

 

感想をこの場で奏上するのが楽しみです。