無排卵月経について | 生殖医療専門医・内視鏡手術技術認定医 田中雄大のブログ

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神奈川県藤沢市の不妊治療・産婦人科「メディカルパーク湘南」の院長、田中雄大のブログです。
体外受精や内視鏡手術のことから雑感まで、日々の記録を綴っております。

テーマ:

「妊娠しないのは、私が排卵していないからでは無いでしょうか?」
「前に行っていた産婦人科の先生から『あなたは無排卵月経かも知れない』と言われた。」
「インターネットの排卵障害の症状に、全部該当してしまって、それで不安になって・・・」
「基礎体温表をつけているのですが、全然バラバラで排卵しているとは到底思えない。」

不妊治療希望の初診患者さんから良く伺う質問です。

今日はこの「無排卵」についてお話を。
こういう場合には、私は必ず月経周期を伺います。すると、大抵の方は、多少のばらつきはあっても、「毎月月経は来ています」とお答えになります。そうすると、私はその場で「大丈夫、ちゃんと排卵していますよ。」と答えてしまいます。患者さんからは、「精密検査もしないで何故そんなに言い切れるのですか?」という訝しがる質問が必ず返ってきます。そのご質問に対しては、「毎月、月経が来ていると仰ったことが最大の根拠です。もしも本当に無排卵月経になっていれば、月経周期がレギュラーになることは有り得ませんから。」と説明するようにしています。

基礎体温表を付けている場合には、もちろんグラフも拝見させてもらいます。そうすると、患者さんが「バラバラ」と表現した折れ線グラフでも、大抵の場合には、ちゃんと二相性の兆候が分かります。下のグラフのような典型的なパターンは実は稀で、もっと曖昧な感じになってしまうので、一般の方には分かりにくいだけの事です。特に最近はスマホのアプリに入力している方が多いので、グラフの縮尺の問題で、更に分かりにくくなっているようです。

ここまでお話すると、やっと皆さん、不安の表情が消えて、笑顔を見せられます。お話だけでそれ以上の検査はしないで、「排卵しているなら安心です!もう少し二人で頑張ってみます!」と帰られる方もいます。勿論、排卵していることを前提として、そこから不妊治療を開始する方もおられます。

排卵が心配で、不妊クリニックに行こうかどうか、悩んでいる方々に参考になれば幸いです。

たびたびの真面目バージョンすみません・・・

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