「恐怖」 | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

こんにちは。

サイコセラピストの棚田克彦です。

http://www.tanada-katsuhiko.com/index.php?FrontPage



「アルバート坊やの実験(Little Albert experiment)」

ってご存知ですか?



行動主義心理学の創始者であるJohn B. Watsonによって

行なわれた、有名な心理学の実験です。



決して人道的に許されることではありませんが、

1920年にワトソンは、

生後11ヶ月のアルバート坊やを使って、

条件付けによって人間の恐怖症反応を

作り出すことに成功しました。



こんな感じです。



まずはじめに、

アルバート坊やに白ネズミを触らせます。



そして、

アルバート坊やが白ネズミに触れようとするやいなや、

アルバート坊やのすぐ側で金づちで鉄の塊を叩いて

大きな音を出します。



すると、

アルバート坊やは突然の大きな音にびっくりして

恐がります。



しばらくして、

アルバート坊やが再び白ネズミに触ろうとすると、

また、すぐ側で金づちで鉄の塊を叩いて大きな音を出して、

驚かせます。



これを7回繰り返すと、

アルバート坊やの中に

●白ネズミ = 恐い

という条件付けが完成し、



アルバート坊やは

白ネズミを見ただけで

恐がって泣き出し、

逃げ出すようになりました。



そのときの実験の様子は、

動画(YouTube)で見られます。

http://www.youtube.com/watch?v=0FKZAYt77ZM



この実験結果からワトソンは、

『恐怖(症)は、

後天的な学習(条件付け)によって作り出される』

と主張しました。



そういえば、

NLPの創始者の一人であるリチャード・バンドラーと

かつて一緒に仕事をしていた人から聞いた話ですが、



バンドラーはセミナーの最中に、

ワトソンが証明した恐怖症の学習メカニズムの原理を利用して、

セミナー受講者に恐怖症を植え付けることがあったそうです。



酷い話と言えば、

酷い話だし、

バンドラーらしいと言えば、

バンドラーらしい気もします。



そういえば、

NLPを有名にした

「恐怖症の即効治療法(fast fobia cure)」は、

恐怖症の学習原理(条件付け)を逆に使って、

各モダリティのタイム・デュレーイションが

異なるのを利用して、

映画のフィルムを逆回しにすることで

V-Kアンカー(条件付け)を破壊するものですね。




それから、

心配性で不安症、

しかも、

過保護で過干渉な親によって

「あれも危ない、これも危ない」

「あれもしてはダメ、これもしてはダメ」

といった育てられ方をすると、

子どもは自分の意志で自由に行動することを

恐いと感じるようになります。



これは

リミッティングビリーフで言うと、

《自由に行動してはいけない》

になります。



これも

親によって学習させられた(条件付けされた)

一種の恐怖症と言えるでしょう。



話を元に戻すと、

アルバート坊やは白ネズミ以外にも、

見た目がどこか白ネズミに似ている

白いウサギ等も怖がるようになってしまいました。



このように、

ある刺激に条件付けられた反応が、

他の刺激に対しても反応する現象は、

「般化(generalization)」として知られています。



小さい子どもの頃に

お父さんのことがとても怖かった人は、

大人になってからも

どこかお父さんに似た年上の男性に対して

苦手意識を持ったりしますよね。



ところで、

今回なぜ恐怖症の話をしているかというと、

「プロセラピスト養成講座」

http://www.tanada-katsuhiko.com/index.php?ProTherapistTraining

のメンバーを対象とした

「恐怖症のセラピーに特化した特別講座」

のテキストを、

今ちょうど作っているところだからです。



頭の中が

恐怖症のことで一杯になってます。



NLPで「恐怖症の治療」と言うと、

映画の逆回しで知られている

「恐怖症の即効治療法(fast fobia cure)」

が有名ですが、



私個人的には

「恐怖症の即効治療法(fast fobia cure)」は

使い勝手が悪いと感じていて、

実際のセラピーのセッションで使うことは

ほとんどありません。



世の中には

「恐怖症の即効治療法(fast fobia cure)」

ほど有名ではないけれども、

もっと簡単に使えて失敗が少なく、

それでいて非常に効果的な恐怖症の

治療法というものが存在します。



なんと言っても、

NLPの「恐怖症の即効治療法(fast fobia cure)」は

30年以上も前に開発されたものですから、

他にもっと良い方法が存在するのは当たり前ですよね。



「プロセラピスト養成講座」のメンバーの方には、

セラピーやコーチングの現場で

簡単に使えて失敗が少なく、

それでいて効果の大きい

恐怖症の治療法を

伝授しようと思っています。




サイコセラピスト 棚田克彦