働き過ぎると過労で倒れて、うつ病になる!?(つづき) | サイコセラピスト(心理療法士) 棚田克彦 公式ブログ

前回からの続きです。


仕事も責任も大変なのに、経営者(社長さん)がやりがいを感じながら楽しそうに仕事をしているのはなぜか?


その一方で、経営者に比べると、仕事も楽で責任も小さい、それでいてちゃんと働いてさえいれば給料はもらえる、そんなサラリーマンが「ヤル気が出ない」といって悩むのはなぜか?


その違いは、「Neuro-Logical Level(神経論理レベル)の不一致」によって説明されます。


Neuro-Logical Level(神経論理レベル)とは、人の意識のプログラムを6段階に分類したNLPモデルの一つです。


ここではNeuro-Logical Level(神経論理レベル)の簡易版を使って解説しましょう。


人は、


「信念・価値観(やりたいこと)」→「行動(努力していること)」→「結果(えられるもの)」


の3つが一致しているとき、高いモティベーションを発揮して、充実感を感じながら楽しく仕事をすることができます。


ところが、3つのうち1つでも不一致があると、モティベーションが下がったり、心に葛藤が生じて、ストレスを感じます。その結果、過労になったり、うつ病になることがあります。


例をあげてみましょう。


たとえば、やりたくない仕事を嫌々続けている場合。


これは、「信念・価値観(やりたいこと)」のレベルで不一致が起こっているケースです。


やりたくない仕事を嫌々続けていると、ストレスから疲れやすくなります。


あるいは、本当にやりたい仕事(信念・価値観)を始めるためにサラリーマンを辞めて独立した、努力もしている(行動)、しかし、全然収入がない(結果)という場合。


こうした場合もモティベーションが下がり、未来に対して絶望的な気持ちが出てきて、うつ病になることがあります。


人はやりたくない仕事を嫌々続けていると、強いストレスを感じます。


また、いくらやりたい仕事でも、努力を続けているにもかかわらず結果が出ないとき、これもストレスになります。サラリーマンを辞めて独立したけど、収入ゼロといった場合がそうです。


そして、ストレスを感じた状態が長く続くと、未来に対してだんだん悲観的な気持ちになってきて、過労になったり、うつ病になることがあります。


「このままの悪い状況がいつまでも続くのではないか?」


「お先真っ暗だ」


そんな気持ちがうつ病を作り出します。


うつ病は、「未来に対して希望が持てない気持ち」、つまり、「絶望感」が作り出す病です。


別の言い方をすると、どんなに今の状況(仕事の)が大変でも、未来に希望が持てるときは、人はがんばり続けることができるのです。


決して、長時間働いたからといって、必ずしも過労になったり、うつ病になったりする訳ではないのです。


前回、お話しした過労で倒れてうつ病になってしまったお二人の方ですが、一人目の方には「長い目で見て本当に自分がやりたいことを見つけて、できるだけその理想に近い仕事を始めてはどうか?あなたの人生はあなたのものですから」といったアドバイスをしました。この方は、親の期待に応えるために有名企業(総合商社)に就職し、ずっと頑張ってきたのですが、本当はベンチャーキャピタリストの道を目指すために、会社を辞めてアメリカで仕事を始めたいとのことでした。


二人目の方は、サラリーマンを辞めて、自分が本当にやりたいことを見つけてそれを生業にしているのですが、いくらがんばっても思ったように結果(売上)が伸びず、最近は過労気味になってうつ病になってしまったそうです。この方の場合、「信念・価値観(やりたいこと)」のレベルには問題がありません。そこで、「行動(努力していること)」が「結果」、つまり、「会社の売上」へとつながるように、ビジネスモデルの再構築するお手伝いをさせていただきました。


あなたはいかがですか?


それほど働いているわけでもないのに、とても疲れやすく感じることはありませんか?


最近、だんだんと仕事に対するモティベーションが下がってきてはいませんか?


もし、当てはまるものがある場合は、


「信念・価値観(やりたいこと)」→「行動(努力していること)」→「結果(えられるもの)」


の3つが一致しているかどうかを確かめてみてください。


きっと解決のヒントが見つかるはずです。