いよいよ決戦の大一番です。
下関、壇ノ浦の戦いリベンジマッチは、
兵庫県尼崎、大物浦(だいもつのうら)で行われます。
まずは挑戦者から紹介しましょう。
海の上はホームの「チーム平氏」。
兵(つわもの)たちの、チームカラーは赤です。
しかし壇ノ浦ではまさかの敗退。
今回は秘策を用意して臨む知将の知盛。
絶対に負けられない戦いがここにもあるんです。
続いては、迎え撃つディフェンディングチャンピオンの紹介です。
陸がホームの「チーム源氏」、
チームカラーは白です。
アウェーでの海での戦いに奥州から呼び寄せられ、
八艘飛びの秘技を引っさげて登場したのは、
救世主、源義経です。
今回も返り討ちにする意気込みで臨みます。
この紅白歌合戦、勝利の女神の凱旋歌は、
いったいどちらに響き渡るのか?
それでは、試合直前の様子を聞いてみましょう、
リングサイドレポーターの佐藤さん、
佐藤忠信(さとうただのぶ)さ~ん。
おや、連絡が通じないようです。
それでは観客席の様子を見てみましょう。
以上、プロレス中継風にお届けいたしました。
(プロフィール年齢は壇ノ浦の戦い+2です。)
しんどいので、ここからは普通にやりますよ~。
ちょっと雑談。。。(いきなりですが)
こちらは京都御所見学のときの写真です。
右側の格子戸は横に引くのではなく、
上に持ち上げてあげるそうです。
なんと重さ200キロくらいで、
これを朝5時に開けるのが女官の仕事だそうです。
もちろん何人かでやるそうですが。
重労働しかも朝5時、しんどい。。。
相模&入江もボロボロ、追っ手の侍を斬りつけ、
最後は相手の侍を抱え込んで海に落ちていきます。
海の神様は竜王様。
おどろおどろしい、でもなぜか綺麗。
ですね。
どんな役者さんだったんだろう?
体力は使い果たし、立っているのがやっとの知盛さんですが、
気力だけで目の前の義経さんに、
「いざ勝負!」
と声を上げます。
しかし、一人対大勢、手負いの知盛さんに対して、
元気な義経さんは四天王と呼ばれる強者の武者達、
武蔵坊弁慶など勝ち目はありそうにないです。
四天王が取り囲み、武蔵坊弁慶(坂東彌十郎さん)は、
知盛さんに数珠を差し出します。
「この知盛に出家しろということか!」
とうてい受け入れられません。
自分のことはもはやどうでもいい、
平氏の武士としてのプライドと、安徳帝への思いだけで
生きている知盛さんです。
「切腹しろ」と情けをかけられるのですら許せないでしょう。
義経さんとしては、本来は争う必要のない戦をつづけ、
勝ったとしても自分は依然として追われる身。
しかも、既に死んだことになっているはずの知盛さんですから、
ここで知盛さんを殺すことに意味は無い。
「生き延びてください。」
という気持ちでしょう。
知盛さん、義経さんに一太刀でも浴びせようと、
渾身の力を…
そこで声をかけるのは、安徳帝。
「自分が今まで生きて来れたのは知盛のおかげだ。
そして今から命を永らえるのは義経のおかげだ。彼を恨むでない。」
いい台詞やな~。
心のよりどころとなっていた帝のお言葉。
この一言でバランスシートは一気にかわります。
もはやこの世に未練は無い、と典待の局は懐剣を取り出し、
自分の腹に突き出します。
七之助さんの典待の局は苦しんだり、恨んだりもなく、あっさりと。
演目全体を考えるとこのほうが良かったと思います。
怒りの気持ちをぶつける相手もいなくなった知盛さん、
もはやこれまで、覚悟を決めます。
「生まれ変わり、死に変わり、この恨みはらさでおくべきか~」
「最後は潔く」、なんてカッコいいことは言いません。
未練の塊となって成仏せず、再び怨霊となって源氏に襲いかかろうという気構えです。
岩山に登ると倒れている碇を持ち上げ始めます。
前の幕では軽々と碇をもって花道を歩いてきたんですが、
今はヘトヘトですから、倒れている碇の隙間に体をこじ入れて、
なんとか立ち上がります。
死を覚悟した知盛さんですが、
海に飛び込んだ後に誰かに助けられたり、
死体をさらされ笑い者にされるのは耐えられないのでしょうか、
鎖を体に巻き付けて、海に沈んで死んでいこうとします。
碇をとめている綱を体に巻き付けてしっかりと結びます。
そして、碇を海へドボンと投げ入れます。
シュルシュルと綱が海へと引き込まれていきます。
知盛さんの最後が近づきます。
義経さんは抱えている安徳帝はまだ幼いので、
知盛の悲惨な最期を目にしないように配慮しつつも、
自分は刀を交えた武将の死に様を目に焼き付けようと見つめます。
意を決した知盛さん、義経、安徳帝のほうを見つめつつ、
後ろ向きに岩上から自分の身を海へと放り投げます。
こうして海の深く深くへと、平知盛は沈んでいくのでした。
勘九郎さん、最後の落ち方は意を決して飛び込むような日もあれば、
綱の流れに身を任せて引きずられるように落ちていく日もあったようです。
(twitter 情報です)
たむおが観劇した日は、ジャンプしてました。
安徳帝の命を救い、義経さんと四天王、家来たちは去っていきます。
『勧進帳』と同じように時間をおいて最後に弁慶さんが出発することになります。
幕が引かれた後、弁慶さんは知盛さんの死を追悼するように法螺貝を吹き、
万感の思いで花道を引っ込んでいきます。
六代目中村勘九郎襲名披露『義経千本桜 碇知盛』でした。
これはいいです。
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