歌舞伎ことば帖 (岩波新書)
「歌舞伎座こけら落とし」の検索で、
のべ一万人以上の方にいらしていただいている、
『はじめての歌舞伎!』
のサイトです。ありがとうございます。
「かき(漢字変換)」+「落とし」と入力しても有効な検索にならず、
ひらがなで「こけら落とし」と入力されて当ページに来ていただいた方も
多いのではないでしょうか。
◆「こけら」って?
「なんで柿(かき)のことを杮(こけら)と読むのか?」と
思った方も多いでしょうが、わかりづらいですが違う文字なんです。
杮(こけら)とは木のくずのことでして、享保の時代(1716年)以前、
屋根は「杮葺き(こけらぶき)」でした。
茅葺き(かやぶき)屋根の「茅(かや)」とか、藁葺き(わらぶき)屋根の「藁(わら)」が、「木の板」に替えたバージョンということ。
そして、建物が完成したときには、工事中にでた木のくずを帚(ほうき)かなんかで下に落とす作業があるということで、建物の完成を「こけら落とし」と言います。
「柿(かき)落とし」では、「さるかに合戦」ですので気をつけましょう。
◆「櫓(ろ、やぐら)」って?
歌舞伎座にも櫓が上がりました。
上の写真は「櫓上げ」の作業の様子。
正面には「鳳凰丸」の紋、
左右には「木挽場 きゃうげんづくし 歌舞伎座」の紋です。
「櫓(ろ)」は「やぐら」とも読みます。
盆踊りとかでもありますが、天に向かって正方形状の長い棒を突き出し、
横にも木材を通して小屋のような形にします。
二本の竹竿に御幣(神道の道具)を吊るしているのが「梵天(ぼんてん)」です。
祇園祭の鉾のように悪魔を追い払い、安心して神様においでいただいて、
とどまってご見物いただくということ。
こうして、開場式や新年など非常におめでたいときに、
捧げられるのが『式三番叟(しきさんばそう)』という演目。
銀座を歌舞伎俳優60人ほどがパレードした後に、
歌舞伎座内部で開場式として行われていますね。
いよいよ歌舞伎座、スタートですね。
さて、本日の記事、いかがだったでしょうか?
いつもより詳しく、細かい情報までお届け出来たと思うのですが。
はい、実は参考書がございまして。
(初心者のたむおが書ける内容ではございませんでした。)
歌舞伎ことば帖 (岩波新書)
『歌舞伎ことば帖』 服部幸雄 著
です。
参考にさせていただきました。
ちょっと目次から紹介。
「捨てぜりふ」、「とちる」、「板につく」、
「千両役者」、「茶番」
など、日常生活にも使うような言葉の歌舞伎からの解説も。
「糸にのる」、「色悪」、「連理引」、
「所作事」、「外題、名題」
など、専門的な用語の解説も。
最後に紹介(というか答えがのっていないので、分かる方教えてください)。
名題昇進試験の問題も一部掲載してあります。
(一流の歌舞伎役者さんとしての認定試験のようなものです。
もちろん、試験を受けていらっしゃらない役者さんでも素晴らしい方はたくさんいらっしゃいますが。)
こんな試験をうけているんですね。
みなさんもチャレンジしてください。
◆ 名題へチャレンジ
・『仮名手本忠臣蔵』は全部で何段あるか。
・江戸時代の「明六ツ(あけむつ)」、「暮六ツ(くれむつ)」は現在の何時くらいか?
・上戸と下戸の酒の飲み方の違い、お茶と酒の飲み方の違いを答えよ。
・ふすま越しや壁越しに人の話を立ち聞きする演技で「耳で聞こうとしてはいけない」といわれる。どうすればよいか。
・これからの歌舞伎を良くしてゆくためにはどうしたらいいか。自由に考えを述べよ。
どうでしょうか?
知識問題あり、実際に稽古をしていって身につけるような問題あり、
難しいですね。
たむおは、下戸の酒の飲み方がわからんなあ~。
【オススメの本】
これはいいです。
「新しい歌舞伎入門」
紹介記事はこちら。
Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2013年 04月号 [雑誌]
こちらも入門書としては
とてもわかりやすい本です。
観にいきたい!はじめての歌舞伎
だいたいの演目が紹介してあります。お得。
写真を見ているだけでも楽しい。
そして今日はこれ。
歌舞伎ことば帖 (岩波新書)
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